無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

愚痴と難癖が板についてきた(笑)

あっさり言ってしまえば、値段を見れば本気度がわかる。幾らファイル容量が大きかろうが所詮はダウンロード、CDやDVDより値段が張るのは馬鹿げている。今は黎明期、草創期だから高額でも仕方がないが、時期をみて値段を下げていかなくてはどうしようもない。本当にいい音質を普及させたいのならそうしてくるだろう。今のところ利益率の高い商品として重宝されているだけであり、音質云々は二の次どころかどうでもいい状態である。

似たような状況に、アニメのブルーレイがある。あれは、誰もが指摘するように利益率の塊のような商品だ。今やブルーレイとDVDにコストの差なんかない。少なくともあの価格差は出てこない。それでもアニメファンがあのバカ高い円盤を買うのは「次期制作への投資」というモチベーションがあるからだ。彼らがやってる事は殆ど株主で、俗に「王の力」と呼ばれる円盤付属のイベント招待優先権(中には"抽選権"のものもある)はまるで株主優待だ。しかし、株主よりもクリアなのは、彼らが"買い支えている"のはコンテンツそのものであり、本当にその続きを観たいと思っている人たちなのである。レコード会社を介している為搾取といわれればそれまでだが、既存のシステムを利用したクラウドファンドの一種だと思えばよい。

アニメの方は斯様に巧みなシステムによって生産性を(たぶん結構綱渡りで)維持しているのだが、その技巧性を音楽業界の方はまるで参考に出来ていない。佐久間正英スガシカオといった一流の音楽家たちですら「自分たちの音楽のクォリティーを維持する為には相当のコストがかかる」「だからCDを買って欲しい」なんて発言に終始する。そこには売り手側のワガママしかなく、買い手側のニーズがどこにあるのかもわかっていない。彼らの音楽を「買い支えよう」という人たちが、アニメファンのように存在するだろうか。居るには居るが、人数も意識の高さもまるで及ばないだろう。


少なくともこういった体質を改善しなくては、ハイレゾに未来などない。本当にリスナー目線でモノを売るなら、ソフトではなくまずハードの案内からしなくてはならない。地デジのように政治力に訴えられるならいいが、それは無理だろう。早い話が誰もハイレゾに戦略を持ち込んでいないのだ。多分、作ってる方も一部のマニア―いわば仲間内で盛り上がれればいいかというノリである。私個人はそれのおこぼれに与れるだけで満足だが、Pop Musicianである筈の宇多田チームがハイレゾ云々なんて言っていてはいけない。

本当に誠意ある対応とは、「あんな高額商品ばかり連発して若いファンをどう思っているのか」という問いに対して、「今回はごめんなさい。切り捨ててます。」と潔く言ってしまう事だ。ハイレゾにかかる初期投資を考えれば、それが中高生の懐事情を斟酌したものではありえない。2万円USBに至ってはただの大人の自己満足だ。買い手を絞って商売をするのは構わない。それならドレスコードや一見さんお断りのようにハッキリとそう言うべきだろう。

なので、本当に若いファンを気にかけていて、且つハイレゾに未来を見たいのであればハードウェアメーカーとのコラボレーションが先である。それをせずにハイレゾを売るから批判がやってくる。でなければ、ハイレゾはひっそりと脇の方で売り、メインは若いファンも手に入れられるようなライトな商品を売ればいい。例えば、普通にくまちゃん型の中身空っぽの(つまり普通の)USBメモリー売ればいいじゃん。まぁ、それもデザインや価格帯次第だけど。ただ、いきなり試聴会案内に不備が出るとか、明らかに今回は色々やりすぎてしっちゃかめっちゃか感が出てしまっているので、そんな事を期待するのは酷というものだが…。



追伸:何度も書いて恐縮ですが、私個人は宇多うたもシンコレハイレゾもリリースが決まってめっちゃ嬉しいのですよ。ただみんなと一緒に喜べる空気になってないのが残念だな、と思ってるだけでね。