無意識日記々

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女はみんな女優、でもないかも。

梶さん今井美樹の担当するのか。ロンドンに住む気?(笑)

今井美樹といえばつまり布袋寅泰プロデュースで。彼女の元々の芸能界の立ち位置を考えるとちょっと違う人脈を引っ張って来れる人が居るというのが独特の存在感を生んでいる。変な話、“PRIDE”みたいな曲を大ヒットさせるのは案外難しい。あのスタイルは毒にも薬にもならず、なんか綺麗なサウンドだねで終わってしまう危険性もあるからだ。松任谷由実松任谷正隆のとはまたちょっと違ったコラボレーションである。

今井美樹を支持するファンの声で大きいのは「憧れの存在」というヤツだ。女優さんというのはお芝居を通じてそういった夢を見させる商売をしている。私からみればこどもなら兎も角大の大人が芝居の中の人物に憧れるとかアニメに夢中な大人よりずっと危なっかしいと思わなくもないんだがそれは置いといて、今井美樹はそこらへんに現実のライフスタイルも織り交ぜながらこの30年を生きてきた為、歌手としての説得力を幾らか持ち得ている。いわばこの30年女優として歌手も演じてきて、その中に現実として音楽家を伴侶に持ち、家族で海外に居住するという確かに"憧れられる人生"を歩んできた。歌手としても女優としても清潔感や透明感、分別のある大人の女性としての気品などをセールスポイントとしている割に、"狡猾"というのがとても似合う人である。山下久美子さんお元気ですか。

梶さんみたいなストレートな人が、彼女のA&Rを担当するというのは興味深い。ぶっちゃけ奥さんに相談してそのままやるのがいちばん成功しそうな気がする。女って恐ろしいからね。

そう考えると宇多田ヒカルは全く真逆のキャラクターである。様々な屈折した表現はピュアでシンプルなハートをメインテナンスする為の処方箋。そんなのMaking Loveを聴けばわかる。Making Loveは、メロディーだけならそれこそ今井美樹にもピッタリだが、あんな歌詞歌えるかというと難しい。なんであんな風になるんだ、とヒカルの事をよく知らない人が歌詞の由来を知ればそう言いたくなる曲である。

勿論ヒカルの生き方は芝居ではない。歌の中でしか役者になれない性格である。あれだけ声優として魅力的な声質の持ち主なのにピノコが残念な出来(私は大好き)になったのは芝居が下手だったからだ。どうにも、そういう意味で嘘のつけない人である。今まで沢山嘘ついてきてるけどな。コンサートのMCも、人によっては芝居のように台本通り一字一句喋る人も居るし、巧くなればそれが全く台本を感じさせない人も居る。しかしヒカルは本当に素で喋る。素敵です。

そんななので、なかなかヒカルの生き方は憧れの対象になって来なかった。そういうキャラクターであるというのもあるが、正真正銘"音楽家の人生"を歩んでしまったからである。何かを演じている訳ではない、音楽家そのものを。

しかし、イタリアで年下の白人と結婚してハーフの子を産むとか女子からしたら憧れとかじゃないのん? 未だにそういう声を聞かないぜ。私の耳に届いてないだけか。

そういう意味では、梶さん的にはヒカルより今井美樹の方がやりやすいんじゃないかという風に思えるが、残念ながら男子の真っ直ぐは本当に真っ直ぐなのだ。そこさえ踏まえればうまくいくだろう。彼らの成功を祈りたい。

A&Rが担当を掛け持ちするのは当たり前の話だが、多分、梶さんの場合ヒカルの話ばかりが大きくて、それは大変有り難いとともにやりにくい面もあるだろう。だから、出来れば他の担当アーティストも大成功を収めて盛り上がっていく方がヒカルにとってもいい。ロンドン発の人妻歌手が立て続けにヒットを飛ばす、そのどちらもマーケティングしたのが同一人物で…なんていう流れが望ましい。私も演技が下手だなぁ。あはは。