無意識日記々

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ヒッキー復帰で平気に発揮すべき芳気

復帰の仕方、には色々あると思うが、例えば自分がユニバーサルの社長か誰かだとして、所属アーティストに幾らか要望を伝えられる立場だったらどんな提案をするだろうな、と考えてみる。いやその立場は社長ではないかな、いや誰でもいいんだけど。

前回触れた通り、ビヨンセのようにある日突然フルアルバムを発表するのがいちばんインパクトがあるだろう。或いは、フェスティバルのシークレット・ゲストとして事前告知無しにゲリラ的に突然大舞台に登場してパフォーマンスをする、というのも想像するだけでゾクゾクする。話題性は十分だし、その圧倒的な歌唱力をリスナーに刷り込むにはこれほど絶大なやり方もなかろう。

他にも、音楽雑誌の巻頭大特集からの復帰や、TVCMが突如、というのもいいし、NHKで「今のわたし2015」が放送されるのも悪くない。様々なやり方が、あるだろう。


しかし、では自分だったらどうやってもらいたいかな、と考えたら、やっぱりラジオ番組に行き着く。Kuma Power Hourでなくてもいいから、なんて言うんだろ、まず声を聴きたい。

実際、17年前のHikkiは12月にレコードデビューする2ヶ月前の10月からラジオの番組を2つ持つという所から始まった。「プロ・ミュージシャン歴よりラジオDJ歴の方が長い」と言われる所以である。Cubic U他はカウントしないのか。まぁインディーズをプロというかどうかは難しいところだけども。

ラジオからなら、いちばんヒカルがいきいきとリラックスした所から始められる。久しぶりのライブで緊張するとか、新曲発表で反応が気になるとか、視聴率がどうのとかの雑音が少ない。何より、Kuma Power Hourからのブランクが少ない。露出を伴う「音楽家仕事」の中ではいちばんまだ身体に染み付いたままのものである可能性が高い。すぅっと入っていけるのだ。

つまり、私はインパクトを求めてはいない。何より、ヒカルが、心の底から「ここが楽しい、ここに居たいと思えるから戻ってきた。」と素直に言える場所から再開して欲しい。勿論それはライブ会場でもいいし、本人からしたらレコーディング・スタジオが"世界でいちばん落ち着く場所"なのかもしれないが、ファンやリスナーとの接点、という事を考えるとラジオはかなり広範だ。今やスマートフォンさえあれば聴けるのだし、みんなスマートフォン持ってるよね。たとえ持っていないとしても、電気屋で800円も出せば手に入るのがラジオだ。敷居の低さは相変わらず。ライブで復帰だと、その場に居合わせた人たちにしか届かない(勿論それこそがライブの価値であるのだからそうしてうただいて全然構わない)けれど、ラジオならかなり多数の人に届く。テレビならもっと、と思うがヒカルはテレビあんまり好きじゃなかったし、今はもっとかもしれないから「いきいきと、リラックスした」姿は見られないかもしれない。

インターネットのストリーミングから復帰、というのは実はもっと魅力的だが、著作権の問題がある。曲を流すとか歌を歌うといった事が自由に出来ないのだ。05以上06未満のような企画が出来ればいいのだが。そうであれば、ラジオよりもいいかもしれない。ただ、「音声だけ」という制限の気楽さは捨て難い。いやまぁポッドキャストという手もあるが、インターネットだろうが長波だろうが中波だろうが短波だろうが超短波だろうが、音を光(電磁波)で届けてくれればなんでもいいよ。

ラジオで歌ってくんないかな。今でも、こっこを口遊む楽しそうなヒカルはヘヴィ・ローテーションだ。たったそれだけであんたなんでそんなに楽しそうなんだ、と思うが、それこそがラジオの、ラジオに居る宇多田ヒカルの魅力である。出来れば全国ネットがいい。NHK-FMでレギュラー持てたらいちばんなんだけど、プロデューサーの皆さん、どうにかなりませんかね?