無意識日記々

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数多の"花"歌

antenna.jpのミュージック・ビデオのセレクションが微妙に発売順ではないのは何故なんだぜ…何か仕掛けがあるのかな、これだけじゃあわからんわ。

花束を君に』というタイトルを最初に聞いた時、「ライバル多いなぁ」とつい思った。まずは同じ花束ソング、Superflyの「愛をこめて花束を」だ。またこれが、そこまでは売れなかったが大変いい曲で、今後どんどんスタンダード・ナンバー化していく事が見込まれている。発売して20年経ったらリメイクされて当初より売れてしまう、というそういうタイプ。まず同じ花束ソングとしてこの存在感を上回って欲しい。如何にヒカルでもこれはなかなかに難しい。ヒカルが横綱だとしても、この「愛をこめて花束を」は金星級の楽曲だからだ。

花ソングという括りでいくとそりゃもうSMAP槇原敬之の「世界にひとつだけの花」がある。流石にこの超特大ヒット曲にはかなわないんじゃないかと今から白旗をあげておきたい気分だが、そんな弱気じゃダメだわな。歌は勝ち負けではないけれど、やっぱり売るからには売れて欲しい訳でね。

しかし、いちばん手ごわいのは菅野ようこの「花は咲く」だろう。曲の出来も大変素晴らしいが、何よりこの歌は震災からの復興の象徴である。発売形態があやふやだったので大ヒット曲とはいかなかったが、「ああこの歌聞いた事あるわ」度ではトップクラスだ。AKB48ファミリーやEXILEファミリーやジャニーズの比ではない。「潜在的国民的名曲」としてのポテンシャルは計り知れない。しかも仕掛け元はNHKだ。相手にする層は朝ドラ視聴者層とほぼ同じ。それをこれでもかという著名な(著名でない人も居るが)歌手たちがこぞって歌っている。今後も歌い継がれていくだろう。菅野も大変な曲を作ったものだ。『花束を君に』の最大のライバル曲はこれだろう。

しかし、照實さんに限って言えば、菅野の存在を、私が突っ込むまで知らなかったようだ。少なくともヒカルとの間で話題に出た事はないのだろう。それとこれとは関係なく、こういう曲でライバル云々を語る事自体変な話なので、作る方は自らの使命を果たしただけだ。

それはそれでいいとしても、同じ花をテーマにした復興ソング同士、互いに盛り立てていってくれるば、と思う。ただ、「花は咲く」の方は合唱曲としても機能する老若男女に受け入れられやすい曲調だが、『花束を君に』は、今まで通りなら「宇多田ヒカルにしかまともに歌えない難しい曲」になっている恐れがある。もしそうだとすれば、誰もが口遊める"国民的名曲"のポジションとはちょっと違うかもしれない。それは、聴いてみるまでわからないな。

はてさて、『花束を君に』はどういった立ち位置になっているのやら。他の花ソングを聴きながら想像を巡らしておく事にしましょうぞ。