朝ドラに一週間毎の週タイトルがつくようになったのはいつからだったかな。三倉姉妹が子役時代を務めた「ふたりっ子」が２週区切りの章立てでタイトルをつけていた気がするのでその頃からかな。「とと姉ちゃん」、来週以降は定かではないが、今週は『花束を君に』と共通するキーワードとして「約束」が採用されている。
ドラマタイトルの「とと姉ちゃん」の「とと」は、父親の事。主役の常子が父親代わりに奮闘する物語だからという事だが、となると早期退場する西島秀俊演じる父親役がどれだけ“理想の父親像”を具体的に演じられるかで半年間の方向性が決まる訳だ。これから常子が何の代わりを務めるか、そのイメージを出来るだけ簡潔に、平易に表現できるか。話の流れからすると西島秀俊は来週から早速回想要員になりそうな雰囲気だから、この初週の6回は大変重要である。始まりと終わりの狭間で、常子とととがどんな約束を交わすのやら。
来週以降も、時には主題歌で使われている単語が週タイトルのキーワードとして使われる事があるかもしれない。ヒカルに脚本は渡されたのか、とすればそれはいつなのか。制作に楽曲が渡されたのも、いつなのか。それにもよるが、番組側が受け取った楽曲に合わせてタイトルを変更したりといったケースは幾らでもアリだろう。事によると、脚本まで変えてくるかもしれない。例えば昨日の百人一首の場面が漫画「ちはやふる」を意識したものだったりしたら、これからも遊び心溢れる演出は十分に考えられる。
『花束を君に』の方も、ドラマに敬意を表した歌詞になっているかもしれず、今後オープニングテーマの歌詞が変化する事も考えられる。例えば１番の代わりに２番３番の歌詞を使うとかだが、山場で１回限り変更、というのでもいいし、４月５月を１番、６月７月を２番、８月９月を３番、なんていうのでもいい。如何様にでも使い勝手が、あるだろう。
それにしても、まだ４回しか聴いていないが、既に朝の顔としての風格が感じられる。一昔前迄とはいえ、こちらも30作以上朝ドラを観てきた身だが、勿論過去最高の楽曲である。今まではベストは「あすか」（竹内結子主演）の「風笛」がよかった、と言ってきたが、何というのだろう、知らずに聴いたら「この曲作った人、絶対朝ドラマニアだよね」と言っていた自信がある。予めこちらが表明していた幾つかの懸念（多種多様な場面にフィットするか云々）を総てクリアしている。ひょっとしたらヒカルもかなり朝ドラを研究したのではとついつい考えてしまうが、Qの台本を読まずに桜流しを書いた人だから迂闊な事は言えない。
「とと姉ちゃん」、毎日が楽しみである。主題歌が素敵なのは、こんなにも大きい事だったのね。あらためて、実感致しましたとさ。
