無意識日記々

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12年前の思い出話

サイトがメンテに入ると色めき立ってしまう。ヒカルには、「サイト・リニューアル」と見せかけて『ヒカルの5』の開催を発表した前科(まさに罪作りな!)があるからだ。

12年前。今思い返してみても、実に良い方法だった。ウェブサイトがリニューアルされると聞けば、熱心なファンは日付の変わる頃を見計らってやってくる。改めて"旧"レイアウトを保存しに来る人も居る。そうやってファンの注目を集めておいて実はコンサート開催の発表が仕組まれていた、というドッキリやエイプリル・フールにやればグランプリ(何のや)間違い無しというアイデアだった。

確かに、何かヒカルが変だったのだ。たかが(そう、本人にとってはたかがである。自分の写ってる写真が入れ替わったからといって我々は嬉しいが、写されてる本人は別にねぇ)リニューアルくらいで何をそんなにワクワクしているのか。今考えたらいつものあの悪戯っぽい笑顔で大きなおめめをクリクリさせていたんだろうけれど、こちらは「えらいテンションが高いな」くらいにしか感じていなかった。0時を過ぎても"リニューアル"される様子がないからといって何故そこで『アナログなのかーっ?!』と荒ぶっているのか、よくわからなかったのだ。そんなに定刻に更新して欲しかったのかと。(なお、アナログってのは"手作業で"という程度の意味。ヒカルのイメージでは"リニューアル"の仕込みは既に終わっていて、0時になったらタイマーが作動して自動的に更新される事になっていたのだろう。何をそんなに盛り上がっとんねん、と思ったらライブ告知。これ自体が寝耳に水だった。

いや勿論、コンサートをして欲しいという要望は幾らでもあったのだ。しかし、時期的に、全米デビュー盤の制作中である事は明白であり、現実にはコンサートなんて無理だろう、というのが当時の空気だったように思う。ハッシュタグなんて無かったので、人の感想の情報なんて集めようとしてもそうそう多くはなかったのだが。そこにこう降って湧いたようなサプライズ。狂喜乱舞したのは言う迄も無い。勿論、Hikkiファンの性で、「Hikki、そんな無茶して体調大丈夫?」という心配もしつつであったが。そして20倍以上という倍率を潜り抜けて、武道館に5日間、全国からのファンが集結したのである。おいらも自力で当てて(その時初めてヒカルのコンサートに当たったのだった)最終日に行ってきましたのだけど。

でその最終日の『幸せになろう』でヒカルは泣き出してしまって一旦袖に引っ込む(すぐ戻ってきて『鼻水出ちゃった』と照れ隠し)のだが、果てさて、今後のヒカルにそういう現象は起こるだろうか。歌っているうちに感極まって泣き出してしまうような。

『嵐の女神』『桜流し』『真夏の通り雨』『花束を君に』は本当にやばいと思う。人前でちゃんと歌い切るには勇気が必要だ。『WILD LIFE』では結局『嵐の女神』は歌わなかった。レコーディングでも随分勇気を振り絞ったらしいし、致し方ない事か。今やもう、意味合いが違う。この4曲については、LIVEで歌う事に関して細心の注意と熟考が必要だろう、侮ってはなるまい。


今回はリニューアルではなくメンテナンスだしヒカルもハシャいでいないから何も無いのだろうが、ふと、またああいう「楽しそうなヒカル」を見てみたいと思ってしまった。早く発表したくて仕方がないとウズウズしているような。してみるとやっぱり『幸せになろう』の涙は、楽しすぎて泣けてきたのかもな、と今改めて感じている。ヒカルはこれから楽しくなるのか。まずは過酷な楽曲作りとレコーディングを終わらしてから、だわな。まだまだ先は、長そうだ。