無意識日記々

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時差半日の話から

テレビでアメラントロポイデス・ロイシの写真を流すだなんてねぇ…もう一世紀前の話題だというのによくやるよ。でもアマゾンは21世紀の今になってもまだまだ未開拓の地。足を踏み入れる事に意義がある。

市場としても南米はまだまだ未開拓の地だ。もう諸国から注目され始めてだいぶ経つが、何しろ図体が大きいし異なる文化圏なものだからなかなか進まない。今夏のリオデジャネイロ・オリンピックが何かを変えるか何も変えないか。諸国に発展具合を示すチャンスなのだが、意外と大きな事より選手たちの現地での呟きから推し量れたりする。サービスの質、流通、医療、宿泊。何より、催事運営能力が如何程かで文化的成熟は決まる。音楽系のフェスティバルはもう随分と長いものだし、スポーツ運営でも手腕を発揮してくれるか。

大きいとはいえないが、ブラジルには日系コミュニティーにもそれなりの規模がある。五輪代表のうち何人かは日本人みたいな顔、日本人みたいな名前の選手がクロースアップされて親近感が出るかもしれない。対外感情がサッカーの国際試合で一気に動く事からもわかるように、スポーツの祭典は様々なキッカケになり得るだろう。

いつもならここで南米市場の開拓について書き始める所だが、今のヒカルがどう考えているかわからない為なかなか筆を動かし難い。少なくとも、「日本語の歌」と向き合っている今までの曲からは、国際展開、地球規模展開は見えて来ないのだ。

逆に、ならば世界に点在する日系コミュニティーへのアプローチってどうなんだろう、というのはほんの僅かばかり興味がある。今や四世五世まで至っているであろう"ほぼ現地の人"たちも興味を示してくれるのだろうか。反対に、そろそろ海外進出の年齢的に「宇多田ヒカルにさほど思い入れのない世代」が世界中で活躍しているのかもしれない。そういう人たちにとって、例えば現地でCDを売っていたり、配信が開始されたとして、どんな感覚があるだろう。Perfumeすらベテランなのだ。Dir en greyだって海外進出して10年以上経つ。今の旬はBabymetalだろうし、One OK RockやSIMみたいなバンドでも海外でツアーがブッキングされる。何というか、世代的には板挟みかもしれない。Utada Hikaruは。

となると、この丸い地球のどこで受け入れてもらうかとなった時に、日本を相対的に捉えたとしても、逆に特別視したとしても、いずれにせよ「まず日本から」という事になるかもしれない。逆説的だが、日本に帰ってきた『Be My Last』こそ、過去の栄光に囚われなかったという意味で、最も他国に進出するに値する楽曲だったともいえるのだけれど、今の新曲は、ひたすら日本語の響きがまずベースにある。勿論ここからのバリエーションが真骨頂なのだが、今に関していえば、まず日本からという姿勢を崩してくるとはどうも思えないのでした。まぁ、そうだろうね。