無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

嗚呼、意中の人と破談になりそに

前回ディープな方向に行きかけてしまったので少し肩の力を抜こうか。まぁそれでも十分堅苦しいのがこの日記の芸風なのですが。


EPICへの移籍だが、果たしてこれがもし7年前、いや5年前だったとしたら、ヒカルは躊躇していただろうと思う。そう考える理由は結構単純で、その頃はまだSONYiTunes Storeで音源の配信販売をしていなかったからだ。

ヒカルの配信へのアプローチはかなり早かった。自分も正確なタイミングは知らないのだが、少なくとも『Be My Last』の時点で既に配信に軸足を移し始めていた。2005年、今から12年前の事だ。夏季オリンピック3つ分、干支ひとまわりの昔から。その『Be My Last』からして当時のソング・チャートで年間第2位を記録している。…筈なんだが私1位の曲が何なのか知らないのよね。とんだガセネタを振り撒いているのかもしれない。

それ以降もiTunes Storeの利用は遠慮なく行われていき、『In The Flesh 2010 Footage』なんかは未だにiTunes Store独占配信だ。一体何やってるんだLIVE NATIONは。とっとと円盤にしてくれ画質が低いんだよ、ってそれはさておき。

何より、HikaruにとってiTunes Storeが重要なのは米国市場だ。『This Is The One』もビルボードだと132位とか69位とかだが、これがiTunes Storeだと全米総合18位である。最新アルバム『Fantome』がビルボードではワールド・チャート扱いで本丸のアルバム・チャートには姿をみせなかった一方、iTunes Store USAでは総合で3位だか6位だかにランクインして日本でも大々的に報じられていたのは記憶に新しい。更に最新のEP『光 - Ray Of Hope Mix』に至ってはまたたクマに全米2位まで駆け上がりその人気の程を見せつけた。Hikaruのアメリカでの力を知る為にはiTunes Storeでの配信販売は不可欠になっているのだ。

これが、ほんの数年前までのSONYでは不可能だった訳だ。MDにこだわりATRACにこだわりmoraにこだわり。常に後手々々にまわりながらやっと折れてiTunes Storeでも配信販売をするようになった。この現在の状況なくして、ヒカルがSONYに移籍しただろうか? 何か枝葉末節なイシューだと思われるかもしれないが、契約を躊躇うには十二分な理由になっていたのではと考える。(少なくとも)2005年からやってきた事が、市場が衰退した訳でもないのに出来なくなるのだから。大いなる後退である。

寧ろ、SONYと早期の契約を結べたとすれば、iTunes Storeへの参画を条件につけていた場合だったかもしれない。もしかしたらそれが理由で実際に破談になった事もあるのかも…とまで言ってしまうと言い過ぎになるので控えるが、僕らユーザーとしては「取り敢えずよかった」と言っておこう。

ただ、『Distance』以降のアルバムの何周年記念盤的企画は期待出来なくなったかな? 『First Love 15th』みたいなヤツね。そこらへんの話はまた稿を改めて書くと致しますかな。