無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

見た目と言葉

当初は「へぇ、ファッション誌にHikkiがねぇ。久々だねぇ。」くらいにしか考えてなかったのだが、その後の展開からすると思っていた以上に「VOGUE JAPAN」の記事は意義があった事になる。

シンプルに2つの点においてだ。ひとつはフォトグラファーにマチェイ・クーチャを起用した事。当日記でも彼の「撮りっぷり」を絶賛し「このままオフィシャル・フォトグラファーになっちゃえばいいじゃん」とまで言っていたのだが、今回の『あなた』関連のフォト・セッションでも彼を起用、これまた美麗な仕事を披露し期待に応えてくれた。ここまで安定して美しければアピアランスで文句を言う輩は限りなく減るだろう。歌手なんだからそんな事に神経をすり減らしている暇はないんだがだからこそ彼のような強力なフォトグラファーが必要なのだ。彼の仕事によってヒカルのストレスがぐっと減る。これはとても大きい。あともちろん、女子としては綺麗に撮ってもらって悪い気はしないだろう。このマチェイの起用が「VOGUE JAPAN」の意義1点めだ。

もう1点は「言葉」である。ファッション誌だのに何故か内容は衣装でもなく新曲でもなく「言葉」。いやこちらとしてはこういう"落ち着いた"話をじっくり聞ける機会は少なかったから大変嬉しかったのだが、ここに来て歌詞集の発売が決まり更にこのインタビューの価値が増した。何しろ新しい書籍のタイトルが『宇多田ヒカルの言葉』ですからね。ストレートにも程がある。インタビュー時にどこまで歌詞集のコンセプトが決まっていたかはわからないが、随分厚そうな書籍だし構想は既にあったとみるべきか。このタイミングで『ヒカルの言葉』について聞けたのが、『VOGUE JAPAN』の意義のもう1点である。

見た目と言葉。メロディー書いてなんぼの作曲家としてはやや遠いが、衆人の目に触れる現役歌手としては見た目は大事だし(なんかさっきと言ってる事が違わないか)、作詞家としては当然言葉は核である。その2点の方向性を指し示したのがファッション誌の記事だった事は記憶に留めておきたい。多分、ついつい忘れる。誰とは言わないが、Hikkiがファッション誌に掲載されるのが何年ぶりかも把握出来ていなかったのだから本来ならそこまで重要な仕事じゃなかったんだろう、こういうのは。しかし結果的に、契機・節目としての掲載になった。まだ入手してない人は電子書籍版もあるから購入しておいては如何だろうか。