無意識日記々

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地上波テレビにひたすら感心する話

昨日マツコ・デラックスがテレビでヒカルの名前を出したらしい。別に特集を組んだ訳でもなく一言触れただけだというのにきっちり情報が複数から回ってくるとは相変わらずTwitterは便利でござるし、地上波テレビの訴求力は相変わらず大したものだと感心する。

この週末は香取稲垣草なぎ&森の元SMAP3人+1人が72時間テレビなるものに出演し、累計視聴者数6000万だかを記録したらしい。地上波テレビ以外のメディア(今回はAbemaTV)でこれだけの数字を出せるとはやはり元SMAPのネームバリューは凄いもんだね。地上波テレビの平均視聴率の概念に換算すると6〜7%程度になるという試算も目にしたが、10%超えに苦労している各局からすれば十分にライバル視できるスケールだ。

今回の結果を受けて「地上波テレビより面白い」とか「新しいメディアの」とかいった意見が目立ったが、自分は寧ろ地上波テレビの積み上げてきたものの大きさを痛感した。元SMAPの3人の知名度は地上波テレビなくしては有り得なかった訳で、そこのトップクラスを連れてくればインターネット配信でもこれだけの注目度が稼げるのだな、と。

「地上波にできない事をやれる」というのも、先日差別の話で触れたように、地上波テレビ局は影響力が強大になりすぎて表現の自由を自制せざるを得ない状況になっているからだ。AbemaTV程度の影響力だからハメをはずしてもゆるくなり過ぎても許されている、という。

もし仮に地上波テレビ局が衰退してインターネットテレビ局が強くなっていけばその時はまたインターネットテレビ局が今の地上波テレビ局のように自制に絡め取られて自由な制作が制限され同じように「つまらなくなった」と揶揄されるだろう。地上波かインターネットかという伝達の手法の違いは問題ではなく、その時点の影響力の有無や強弱でコンテンツの性質が決まっていく。

実際、つまらなくなったと揶揄される地上波テレビの番組たちは、普段テレビを観ない身からすると恐ろしくよく出来ている。隅々まで蓄積されたノウハウが散りばめられていて、ここに来るまでの積み重ねは大したものだなぁと感嘆せざるを得ない。その分、意外性や驚きといったものは希薄で、「驚くべき事実が発覚」というテーマですらシステム化された安全なコンテンツとして提供されている。手法の確立しきった「熟したコンテンツ」は、確かに若い人には響かないかもしれない。

問題はここから熟したまま停滞できるのか、それとも腐れ落ちて最後には枯れてしまうか、だがどうなんだろうね。地上波テレビが独占している電波帯域を解放してくれれば、という話はもう10年前に否定的に終わっていてそうそうは覆りそうもないかもしれないし、まぁそこまでモバイル・インターネットにのめり込んでない身としては遠い話題でもある。

ヒカルの在籍するSONYは着々と更なる次世代通信、5G世代の開発に余念が無いし、ヒカルも場合によってはその恩恵を受ける段になるだろう。その暁には今度こそソフィスティケイトされたプロフェッショナルなストリーミング・コンテンツを期待したいものである。そこで是非スポンサーの商品をdisっt(自粛)。