無意識日記々

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立つべきか座るべきかソレが問題だ

世間的には今年のツアーは「12年ぶりの全国ツアー」というのがキーワードになっている。他の20周年歌姫たちと較べて何とも久しぶりなのだが、こういうのってどう受け止められているのかな。隠れキャラ?ラスボス? イメージとしてははぐれメタルとかウルトラマンゾフィみたいな、滅多に出てこないんだけど利得幅最大、って感じだろうか。こんな昭和なタトエで通じるかは知らないが。

これだけ間があくとそうそう「熱心なファン」は維持できない。レコード/CDの売上とは別に、やはりマメにツアーしてきたアーティストががっつりファンをキープしている。12年ともなるとライブコンサートでの「客の作法」みたいなものも受け継がれず、なんだったらまた「立って観るべきか座って観るべきか」問題からやり直さなきゃならなくなるだろう。嗚呼もう懐かしい。

別にこれは12年ぶりというのと関係なく、元々の宇多田ファン層が老若男女多様な事に端を発している。いくら10年ぶりとか20年ぶりでも、例えばメタリカのコンサートで「立って観るべきか座って観るべきか」なんて議論は立ち上がらない。ローリング・ストーンズなら有り得なくはないけど…そろそろ観る方も辛くなってくる世代でして…ってそれはさておき。もし仮にコンスタントにツアーしていたとしても解決していなかったかもしれない。

答は実はカンタンでな。歌ってるヒカルの方が元々そもそも「ライブは立って楽しむもの」という前提でいる為、ステージパフォーマンスやら煽り方やらもスタンディングに対する手法になっている。なので宇多田ライブは基本スタンディングである。

だからといって、高いチケット代を払う方に選択の権利がないのもおかしい。椅子に座ってふんぞり返って「おら楽しませてみろよ」と言う権利が、お客にはあるのだ。蔑ろにするのも行き過ぎだ。

会場が幕張メッセのようなベタ地なら何の問題もない。椅子席チケットとスタンディングチケット別々に売ればよい。次にさいたまスーパーアリーナでやる時にフロアをスタンディングにするか椅子席にするかとなったらやはり椅子席なんだろうか。スタンディングでいける会場でわざわざ椅子を出しておいて「立って観てくれ」というのもそれはそれでちょっと不思議な気がするが…。

スタンディングでいちばん奇妙なのは両国国技館だけどねー。4人がけの枡席で全員靴脱いで立つという本当によくわからない仕様。流石に都心であのサイズじゃヒカルのライブは出来ないけれど(7000人位しか入らないらしい)、こういうのがあると「コンサートって別用途の会場を"間借り"して催されているんだなー」と痛感する。スタンディング前提とはいえ、スタンディングに向かない会場でもライブは敢行されるだろう。狭いとか段差が少ないとかね。そうなった場合もまた議論になるだろうな。

いずれにせよ、多様なファン層の訪れる宇多田ライブにそうそうカンタンな解はない。どういう状況になってもいい思い出が作れるように、広い視野で臨む所存でございますよ。