無意識日記々

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総合力と相互協力で売る新時代

あーSpotifyでプレイリストに載せて貰うとスタッフがお礼を言ってヒカルがリツイートする、とそういう流れか。ふむ、このノリについてくる人がなりくんのリスナーだと言わんばかり。『Lonely One』はヒカルが歌っている歌なので@hikki_staffがツイートしても何の問題もないし。というか、このノリを先に出して機先を制すのが大事かもわからんね。

果たしてこれが本丸の宇多田ヒカル名義の作品でも見られるのか、というのは注目だ。昨日触れた通り、宇多田ヒカルブランドはここから「平成のダイナソー」的なポジションをとる。CDを沢山売るスタイルな。そちらを維持しつつここからどれだけの若い、或いは新しいリスナーを獲得するか。

海の向こうでは既に、Spotify等にプレイリストを乗っけてそれで新曲をリリースするスタイルが出てきていて、巨大な成功を収めている。「アルバム」という形態の崩壊である。プレイリストであれば、限定的でない、様々なシチュエーションに即して適材適所な楽曲のアピールが可能だ。総合力と相互協力で音楽を売る、今の時代に相応しい"押し売り"である。

宇多田ヒカルは真逆な立場に居る。2016年の『Fantome』は、1形態のみのリリースというのが奏功した。5種類だの17種類だののパッケージ違いを売りつけられるのが日常になっていたリスナーにシンプルな居心地のよさを提供した。定額聴き放題のプレイリストの多種多様性とは反対側な訳である。

したがって、なりくんのデビューアルバムはRIAにとって格好の"実験"になる事請け合いだ。なりくんからしたら蔑ろにされて、と憤る所かと思いきやさにあらず、だと推測する。彼自身レーベルのオーナーだから、こういうシチュエーションは大好物な筈である。そんな状況だから、@hikki_staffからも@utadahikaruからも(リ)ツイートされる。目一杯アピールしてどこまで行くかを見極める為に。―そう考えると、いつにないヒカルの積極的なプロモーションにも合点がいくのではなかろうか。

なりくんの"先進的な"プロモーションとアピール方法を受けて、ヒカルのニューアルバムのプロモーションは検討されるだろう。場合によっては、Spotify等定額配信サイトの重要度が増すかもしれない。一方でCDアルバムを売る旧来通りの売り方を放棄する事も考えられない。常に先進的だった昔とは違い、新時代と旧時代のハイブリッドとして宇多田ヒカルは進んでくんじゃないかな。