無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

レコード業界はいつも間が悪い。

状況がダウンロード販売からストリーミングに移るかもしれない事を、今ちょっと残念に思っている。というのも…

昨年から、コンビニエンスストアの「プリペイドカードのコーナー」が明らかに増えた。Google Playを筆頭に、iTunes StoreAmazon、DMM、Webmoney等々…。原因・理由は調べなくても推測できる。ソーシャルゲームで課金されるユーザーが激増したのだ。ガチャとかいう奴ね。10回3000円のカードが基本らしく、今やソシャゲにハマっている人への最高のギフトはプリペイドカードなんだそうな…。

ソシャゲなんて非スマホユーザーの私には最も無縁な世界だったが、買いすぎ防止の為にプリペイドカードを愛用する身としては「どこのコンビニに入ってもすぐプリペイドカードが買える!」と便利になった世の中に感謝した、のが2017年だったのだ。本当に意外な所で自分に影響が出るものである。

思えば、12年前にiTunes Music Storeを使い始めた頃はAppleプリペイドカードなんて店頭に見る事は有り得なかったのだ。たまたま近所の家電量販店で取り扱い始めていたので困る事はなかったのだが、「多くの人にとっては不便だろうな、クレジットカード組しか配信購入できない…」と思っていた。それが今は昔。隔世の感。コンビニのいちばん目立つ所にプリペイドカードスタンドが置かれている。スタンドが1つじゃ足りなくなって2つに増やす店もある。今や誰もが気軽にプリペイドカードを買える世の中になったのだ。

…だったら、たま〜にでいいから一曲気に入った曲をダウンロード販売で買う習慣が浸透してくれてもいいのにな〜とうっすら考えていた。10連ガチャなんて3分で3000円が飛んでいくのだ。だったら250円ぽっち払って5分聴ける曲をダウンロードする位何でもないよね…金銭感覚的にあり得るよね…だってもうあなたのGoogle StoreやApple Storeにはもう金額がチャージされてるんだし、あとは曲のページを開いてタップするだけでいいのだから―まさかソシャゲのお陰で配信購入が身近になる可能性が出てくるとは。昨年の半ば位までそんな風に妄想していたんだ。

それが何だ。これからはストリーミングの時代だ支払いは毎月定額だ、だとぉ!? またクレジットカード組メインに逆戻りじゃないか。このまま欧米のようにダウンロード販売が下火になったら折角のチャンスを逃してしまうよ。いや、中にはプリペイドで定額配信支払い出来るとこもあるんだけどね、そんな面倒臭いのは流行らんだろ。既にチャージしてる状態だからこそ「あ、この曲いいな」と思った瞬間にタップしたら支払いが済んでいる、なんて状況が完成するのだ。全部クレジットカードで済ますんなら、12年前とおんなじじゃん。何も変わらない。

間が悪い、と思う。なんだろう、ひたすらレコード業界は間が悪い。CCCDは自業自得だったが、ストリーミング&定額サービスは新時代へのチャレンジだ。謗られる謂われは無い。積極的に打って出ているだけなのに、こんな感じ。今年のソシャゲの収益とレコード業界の定額サービスの収益、果たしてどれくらいの差がつくのやら。確かめるのが怖い。

なんだろう、やはり音楽を聴きながら数値で競争する、っていう枠組み自体、「損な生き方」なんだと言われている気がしてならない。宇多田ヒカルが偉大なのは、750万枚売ったからでも800万ユニットを売ったからでもなく、1人々々の人間の心に届く歌を書いて歌ったからなのだ、という基本中の基本に立ち返って色々と書いていく事に致しますかね。