無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

In Our Room

しかしまぁ、母親との事を歌ったりこどもとの事を歌ったり夫との事を歌わなかったり、ラブソングを生業にしているとはいえ問題意識や関心が自分の周りに集中しているな。

そこらへんはヒカルも自覚していて、『あなた』の2番を聞けば自分がそういった事を中心とした身近な世界で大体完結していて、世界情勢云々みたいな話は遠い国の出来事だという距離感が伝わってくる。そういう意味では無関心という訳でもない。特に国にとらわれずに活動している間は、佇む国に安心して居れるのかという結構現実的な問題に直面する。

普通だったら、家や職のしがらみがあってなかなか今居る場所から離れ難いものだが、自由な地球人たる宇多田ヒカルは別に地球のどこに住んでも。構わない。可能である。選択肢が増えれば悩みも増える。贅沢な悩みではあるけれど。

今年のどこかの時点でヒカルはツアーを理由に日本に長期滞在をし始める。普段どこに居たのかは知らないけどね。なんだか逆に、ツアーを通して「この国が取り残されつつある事」を察知されそうで、ちょっと怖い。あわよくば、「やっぱりいい国だな」と思って貰えればツアー終了後に日本に居を構えよう、となるかもしれない。さいたまスーパーアリーナにテント張ってもいいけどな(笑)。

家に赤子と2人で居て視界の片隅に飛び込んでくる世界情勢の報。窓から外を眺める感覚か。日本は全体が家、部屋かもしれない。それこそ、普段日本語に取り囲まれている私たちにはわからない。ツアーとは日本を縦断して巡る旅。その土地々々で感じる事があるだろう。その時のものの見方がまた歌詞に反映される。そこからヒカルの本音が見えてくるかもしれない。