無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

やっぱり私は高音質の虜なんね…

CAMELのライブが素ん晴らし過ぎてもう。今の俺に「ずっとここに居たい」と思わせるなんて尋常じゃない。それも160分の演奏を目一杯浴びた挙げ句、に。「どうせなら死ぬまで眠っていたいのに」が口癖な私はアニメを1話30分観てるだけでもう眠くなるというのに。いつ以来だろう、「帰りたくないよ〜」とこどものように駄々をこねたくなったのは。

兎に角吃驚する程音がいい。ギターの音色が美しいのだ。エレクトリック・ギターなんてヴァイオリンなどの弦楽器に較べれば粗雑で乱雑で猥雑な楽器だと思われようし実際それで正しいのだが、アンドリュー・ラティマーのギターサウンドをその身に浴びればそこに著しい例外が存在する事を知るだろう。本当に「生きててよかったアンディ・ラティマー」である。よくぞまぁ闘病生活を生き抜いてくれたもんだ。見た目はすっかりお爺ちゃんだがスピリットはロック青年のまま。「僕らの青春」という名盤「MOON MADNESS」の完全再現を聴かせてくれた。観る前は「チケット代1万3000円て何だよ。綺麗なねーちゃんが次々と出てきて絢爛豪華な衣装で歌い上げるオペラでも始まろうっていうのか? 違うだろ? ヨボヨボの白髪じじぃとクソデブで構成された冴えない4人組がひょっこり出てきて演奏するだけだろ? どこにそんなに費用がかかるんだ?」とか嘯いてた私も観終わったら「…中身の価値に相応しいお値段をつけただけでしたか…」とテノヒラクルーですっと
ぼけ返しましたよ、えぇ。

まぁクソデブキーボーディストの野郎の吹くサキソフォンが上手いんだわ。吃驚したよ。でそのクソデブ(いい加減その呼び方やめれ)と白髪じじぃ2人の計3人で奏でるコーラス・ハーモニーのまぁ美しい事。ブライアン・ウィルソンかお前らは。そして極上の音色で奏でられるラティマーのギターソロ。何度身悶えたか。「嗚呼、ここに住みたい」と本気で思った。

スタジオ盤で聴くラティマーのギターは勿論美しいが、他にももっと美しい音色で弾くギタリストは何人か居る(ウリ・ジョン・ロートとかね)。しかし生演奏でここまで綺麗な音色で弾かれたら降参するしかない。普段の倍の値段のチケット代も納得しちゃったよ。


という訳で毎度書いてる話。コンサートの評価はサウンド・プロダクションで決まる。どれだけ素晴らしい歌を唄おうと、どれだけ情感溢れる演奏を繰り出そうと、PAが貧弱だと総て水の泡だ。ステージセットにライティング、ステージ衣装にバックダンサーと見た目を豪華にするのも大変重要だが、残念ながらライブ・コンサートの主役は音楽だ。さだまさしの場合はトークかもしれないけどそれは兎も角、「チケット代を倍にしていいから最高のサウンドでライブを聴かせてくれ」という自分の(身勝手な願望)を今夜改めて噛み締めた。今年のツアーのコンサートチケット料金はまだ明らかにはなっていないけれど、観終わった後に私が「お値段に相応しい音質だった」と言えるようなサウンドプロダクションを期待する。いや本当に生命線なんだってば。