無意識日記々

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1988年、1998年、2008年、2018年

Prisoner Of Love』のCDシングルがリリースされてから今日で10年。つまり、宇多田ヒカルがCDシングルを出さなくなってから10年経った事になる。

CDシングルが本格的にリリースされ始めたのが1988年。この頃は8cmシングルの縦長ケースだった。ヒカルが『Automatic/time will tell』をリリースしたのが1998年だからそこから10年。8cmと12cmのCDシングルを両方リリースしたお陰でチャートが分散し、結局同シングルはダブルミリオンを獲得したにもかかわらずオリコンウィークリーチャートで1位をとっていない。そこから10年間、『Prisoner Of Love』までコンスタントに12cmCDシングルをリリースしていった。

こうやって大体10年ごとのサイクルで時代が回ってきた事を考えると、つまりそろそろ2008年から2018年までの(我々にとっての)"ダウンロード配信の10年"も曲がり角を迎えるのかな、となんとも根拠の薄い妄想に囚われてしまうが、でも実際そろそろ新曲もサブスクに組み込まれるかもしれない時期に来ている。

現況を確認すると、現在宇多田ヒカル名義の作品は、アルバムとして出ている"過去作"に関してはサブスクに乗っているが、いまのところダウンロード販売している最近の新曲はサブスクの方には無い。日々チェックしてないといつのまにかスルリと乗っかってたりする為油断ならないのだけれどもね。

恐らくこれは暫くこのままだろう。まず注目なのは来月、アルバム『初恋』がサブスクに乗っかるか、だ。これは恐らく「まだ」なんだと思う。CD、圧縮配信、ハイレゾ配信は総て6月27日スタート(フライングはあるにしても)だろうが、最新作を初日からサブスクに乗せるのは、日本だとまだ時期尚早だろう。特に宇多田ヒカルというコンテンツは未だにCDでのセールスが強い。今回も、コンサート優先チケット予約券の封入の有無はあるものの「通常盤仕様1形態」で売り出すのは確実。ストリーミングで気軽に聴ける状況を作るよりは、まだプレイパスを活用すべき段階だろう。

今年はまだいい。しかし、ストリーミング時代は「時間の奪い合い」である。わざわざ"購入"しなきゃいけない音源に時間をとるくらいなら聴きたい音源が幾らでもストリーミングには存在するのだ。いずれ"単品購入層"とは全く…とまではいかないまでも、かなり別れた市場を形成していく行く末は想像に難くない。

Appleなどは「ゆくゆくはダウンロード販売もナシにしよっか」と言っているとかいないとか。他の国はともかく日本でそれをやるのは完全に自滅行為だが、それが世界全体の流れであればじわじわと侵食されていく事も予想すべきか。この"ダウンロードの10年"(本当はその前に"ガラケー着うた"の時代が2年ほどあるのだけどそれも含めて)でもしっかり好成績を残してきたヒカル。次の10年はどんな感じになるのやら。要は耳まで届けばよいのだから、間に何挟もうが関係ないんだけどねぇ。