無意識日記々

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『初恋』アナログ盤発売決定

ほぉ〜、『初恋』のアナログ盤が発売されるのか。『Deep River』アルバム以来16年ぶりのレコードとな。

まぁこちらからすると『EXODUS』のときにアナログ盤が出ていたのでそれ以来なんですが、元EMIのスタッフの皆さんにとっては関係ないですわな。

兎に角嬉しくて思わずポチってしまったが、アナログ盤の再生自体そのUtadaんとき以来になるので、果たしてレコードプレイヤーがちゃんと動くのかどうかが不安だ。あとで試してみるべきか。針は買い換えなくちゃいけないけど、まぁそれくらいなら。

でもでも、別にそんなのは特に重要じゃないんですよ。確かにアナログ盤向けのマスタリングがどんな具合になっているのかを聴いてみたいのはやまやまなんですが、私にとっては寧ろそれよりアナログ盤サイズのデカいジャケットとデカいブックレットが手に入るのが大きい。それだけの為に5000円払うのも悪くない。悪くねぇぜ。

いや、ほんとね、今やCD世代ですら旧世代だというのにアナログ盤の話をするっつーともう完全に前世紀というか旧世紀というか寧ろ旧石器時代というか、それくらい昔風の話題になっちゃうのかもしれないけれど、アナログジャケット&ブックレットが手元にあるってホントにいいんすよ。

なんつーの、履歴書の趣味欄に大手を振って「音楽鑑賞」って書けるような、そんな雰囲気がアナログレコードとの戯れにはあるんですよ。CD以降、いや、カセットテープウォークマン以降かもしれんな、音楽はイヤホンを耳にして手元で再生するような感覚ってのが随分と敷衍して、「手軽に楽しめる娯楽」としての地位を築いてきていてそれはもう全く自分にとって素晴らしい進化と進歩であってそのことを否定するつもりは1mmもないのだけれど、アナログレコード時代を知る者としては、そこにある「レコードを擁した音楽鑑賞」というのは全くの別体験なんすよ。日々の生活の中で。

何しろアナログレコードっつーのは繊細で、暑さで曲がるし、平に置いておくと反ってくるしもう扱いに困るワガママさんなのでありまして、音楽を再生する時もやれ指紋をつけるな埃を散らすなまずは綺麗に掃除して人も埃も払って静かにターンテーブルに置いて針をそっと近づける、息を呑んで再生が始まるのを待つあの間合い。なんだろうね、そういう「儀式」を通して、音楽と向き合う為の心構えが自分の中にできてくるのね。

で、そんときに大事になってくるのがデカいジャケットとデカいブックレットなのですよ。部屋のソファにでも座って流れてくるアナログレコードの調べを聴きながらどうするか。勿論目を閉じて足と手指を組んでしかめっ面して悦に入っててもいいんだけど、そこでデカいジャケットとブックレットが揃ってると「サマになる聴き方」ができるんすよ。それがCD時代以降にはないやつなんですわ。

CDのブックレットって12cmしかなくて、あれ開いてCD聴いてても、なんていうんだろう、座ってられない?(笑) 寝っ転がって聴きたくなってくるというか。それがアナログレコードのデカいブックレットだと、例えば膝の上で開いて、まるで絵本を読むようなスタイルにならざるを得ないんですよ。そうなってくると、ほらほら、なんか「趣味は音楽鑑賞です」って言えるようなスタイルになってこない?(笑) そこなんですよ。アナログレコードを買ってくると、そうやってこの秋から『初恋』珠玉の12曲と相対することができるようになるんですよ。その鑑賞に対する自分の心持ちを自然に導いてくれる素材がデカジャケデカブクなんですわ。

なので、たとえうちのアナログプレイヤーがレコードを再生できていなくても私はアナログ盤購入に満足するでしょう、きっと。まだ3ヶ月あるけど。そうやってブックレットを膝に開きながらパクチーノでも淹れてふぅっと溜息をつきながらヒカルの歌声に耳を傾ける―最高の贅沢空間じゃないっすか。その為の5000円。悪くない。悪くねぇぜ。(2回め) パクチーノをどうやって手に入れるかという難しい問題はあるけどなっ!

というわけで、音を聞けないかもしれない(っつっても、多分自分のことだからうちのアナログプレイヤーが鳴らなかったら新しいヤツ買ってくるだけな気がするがね)のを承知の上で『初恋』のアナログ盤、購入させてうただきます。まぁ、限定商品ということなので、果たして本当に手に入るかどうかちょっとまだわかんないけどね。

でも、そんなこと言ってるけど、個人的に今回のニュースでいちばんのツボだったのは、そのアナログ盤『初恋』が2枚組なこと。

そうなのよ、この日記でしつこく「『初恋』は2枚組な気がしてならない」って連呼してきたけど、ここにきて本当に正規のリリースで「2枚組の『初恋』」が誕生することになったのよね。いやそこに因果関係や相関関係は全くないんだけれども、なんだろう、自分としてはすごくしっくりきたというか、収まるべきところに収まったというか。ツアー初日か(私の参加する)2日目あたりに手に入るというし、この『初恋』のアナログ盤のリリースは、単なるコレクターズアイテムの販売というだけにとどまらない、『初恋』という超名作のひとつの区切りを表す何かになるんじゃないかという感じがしている。そういうプロセスも含めて、この作品を今年いっぱい堪能していきたいなー。いやはや、これはナイスなリリースですありがとう元EMIのスタッフの皆さんw