無意識日記々

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#裸婦抱く 『…!…!…!…!』

『俺の彼女』が終わるとヒカルが『まだ帰らせませんよ(笑)』とほくそ笑んでメンバー紹介を始めた…のはいいんだが、あろうことかバンマス(つまりいちばん偉い人)のジョディの紹介をし忘れる。それにすぐさま気がついて『あ、ごめん、ジョディ忘れちゃった!(笑)』と謝る頃にはもう既に次の曲のイントロが奏でられ始めていた。多分、バンドの演奏の尺に気を取られすぎて慌てたんだろうね。でもお陰でみんなジョディの名前を覚えられたから結果オーライだ。狙ってやったんなら、凄いぞ。

そして、バンドの伴奏に導かれてこのコンサートで最も懐かしいあのメロディが奏でられる。そう、『Automatic』の登場だ。

会場の8割がこの日初めてヒカルのライブを観るのだ。この曲をやらずに帰れる訳がない。私はいつもこの曲を聴くと『盆踊りだなぁ。日本の心だなぁ。』としみじみする。この日一番の手拍子はまるで年末の宴会のようで、さっきまでの緊張感が嘘みたいに皆リラックスして楽しんでいる。アンコールにこれほど相応しい曲も(ヒカルのレパートリーには)そうそうないかもしれない。

その割にみんなサビで4回拳を突き上げない。知らないのだろうか。ずっと観ていたが、ヒカルは『It's ! au ! toma ! tic !! 』に合わせて総て4回拳を突き上げていた。ファンが勝手にやってるんじゃなくて、ヒカル本人が促しまくっているのだ。なのにまぁ皆塩対応で(笑)。単に知らなかっただけだと思いたい。ヒカルが寂しがるかもしれないから、次行った時はしてあげた方がいいんじゃないかな。

この曲で個人的なハイライトはベン・パーカーJr.によるギターソロだった。『Autonatic』でギターソロというのもなかなか悪くないもんだ。ベンはちょっとエリック・クラプトンっぽいトーンでギターを控え目に咽ばせていた。さっきの『俺の彼女』のジミー・ペイジ・リスペクトといい、彼はブリティッシュ・ロックのファンなのだろうか。どんな人なのか知らないけれど、結構お歳を召しているのかな。

という感じで、なんていうんだろう、“大人しいお祭り騒ぎ”でコンサートの幕が落とされようとしていた。度々このコンサートの選曲を論じる時に“強度”という形容を使ってきたが、この夜最も強度が落ちた時間はこの『Automatic』の間だったかもしれない。しかし、だからこそこの歌は歌われる。これから未来に向かってヒカルの歌はどんどん強くなっていき、どんどん人間離れしていくだろう。そんな時でもコンサートではこうやって『Automatic』を歌うことで“Human Monent”を取り戻せる。愛されてるというのは何にも代えられない強みなのだ。そういう意味では、やっぱりこの曲にはこの曲なりの、この場に在るに相応しい他とは違う意味での“強度”が備わっていたと言ってもいいかもしれないね。



── さて長かった『Laughter in the Dark Tour 2018』横浜2日目公演のお話も、いよいよあと1曲を残すのみとなりました。もうほんの少しお付き合い願えればと思います。