無意識日記々

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プリンセスプロデューサー

『歌姫ってなんなん?』というのは昔からヒカルは言っていて…といいつつソースが出せないんだけども、そういう感情がずっとあったということは推し量れる、とでも言っておくか。

「姫」というワードのイメージに広がりがあるのがそもそもの問題で。Wikipediaにも載ってるけど「ヒメ」とは女性の事を指し男性の「ヒコ」(彦)と対を為す存在の事だった。それが英語の“Princess”の訳語として抜擢されたのが効いている、と。

「歌姫」は、だから、シンプルにいえば「歌う女性」と捉えることもできて、一方で「歌うお姫様」とも捉えられるというそういう言葉だ。で、そのお姫様という言葉のイメージが「お飾りで舞台に立ち実権を握る誰かの操り人形として振る舞う」という印象を与える為ヒカルの反感を買うのだろう。

御存知の通りヒカルは作詞作編曲プロデュースを務めて全体を司る音楽職人であって、今やプロジェクトの責任者だ。お姫様じゃなくて王様・女王様である。姫といえばプリンセス、王女様だから寧ろ立ち位置としては正反対なのだ。

その言い分はわかるが「姫」に対してそこまでのプリンセス感を感じていない人にとっては「何をムキになってるの」というのが正直なところだろう。一方でヒカルのことを職人だと知らない人も一定数存在していて話をややこしくしている。

つまり、言葉自体のイメージにも幅があり、宇多田ヒカルのイメージにも幅があるという二重のあやふやさがこの「歌姫ってなんなん」問題をややこしくする原因になっているのだ。ただヒカルのプロデューサーぶりを広めればいい話ではないのである。

といっても、なぜヒカルがプロデューサーとして認知されていないかといえばその仕事の殆どがセルフ・プロデュースだからで、例えば秋元康や往年のつんく♂みたいにアイドル引き連れてテレビに映れば皆プロデューサーとして見てくれるようになって歌姫とは呼ばれなくなっていくかもしれないね。実際にそんなことがあるかどうかはさておいて。そうなる日まではある程度歌姫と呼ばれることを甘受するしかなさそうだ、よ。