無意識日記々

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リアル「一円を笑う者は一円に泣く」

サブスクリプション・ストリーミング・サービスのお陰でこの「一円を笑う者は一円に泣く」という諺(なのかな?)にリアリティが漂ってきている。

基本、サブスクはテンダラー・ア・マンス、1ヶ月で10ドルが目安だ。この中からアーティストへの配分を支払うって正気の沙汰かよと今更にして思う。どれだけ高く見積もっても1人が1曲聴いて1円とか3円とかそういうレベルの話…1万人が1回ずつ聴いても一万円だとすると、なんだろう、気が遠くなるよな(笑)。

中には勿論数千万回やら数億回やら再生回数を稼いでいる人も居るけれど、それこそ探査機を小型惑星に着陸させるような途方もなさを感じるよ。

ヒカルは、そういう中で「勝ち組」になっていくんだろうな、とは思う。またもメディアの変化を上手く捉えて、というかヒカルが動いたからメディアも動く、という位に“巨大な”存在なので、正直サブスクへの参加は遅すぎた位である。で、そこが引っ掛かっている。

信販売を始めた頃は他のアーティストたちより凄く動きが早かった。CDが(それ以前に比べれば)全く売れなかった『Be My Last』も、2005年のiTunes Music Storeでは年間2位だったのだ。機先を制するように新しいメディアにチャレンジしてきた事を考えると、今の状況はやっぱり少し保守的かなと。

キャリアが長いとこのバランスが重要且つ難解になってくる。多くのミュージシャンは新鮮なことにチャレンジしたいのだが長年のファンの存在がそうさせてくれない。誰も強制していないし誰も悪くないのにいつの間にか再生産体勢に入っている(拡大か縮小かはさておき)。それが自然なんだから…と言ってしまえばそれまでだが、ヒカルはとても優しい性格をしているので旧来のファンを置いてきぼりにする事はまぁ、無い。ちょっと、いやかなり悩ましい。

実際、どっちがいいかわからない。特にこの国は少子高齢化が世界一進んでいて、次世代のこどもたちより老人の相手をしている方が儲かる時代が少なくともあと30年は続く。その中でヒカルがどうしたいのか、それがわかるまでは総てが保留のままなのです。