無意識日記々

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昂揚感から先に思い出す性格の私

今日は3月18日、と聞いて妙に昂揚感を覚える自分に気づいて暫し戸惑った。「今日の日付って別にヒカルの何か記念日って訳でもないよね? なんでなんだろう…」と訝しんだのだが、すぐに気がついた。明日は3月19日。そうだ、アルバム『HEART STATION』の発売日だ。その店頭陳列日の日付即ち自分が11年前に実際にアルバムを手に取った日付が今日3月18日だったから妙に昂揚感を覚えたのだ。合点がいった。

HEART STATION』はヒカル最初の10年の最高傑作である…とか言うと異論続出なのだろうかな。まぁ大変な力作である事自体には異論は少ないだろう。兎に角全曲いい。そのテンションの高さはそうそうヒカルでも再現出来まい。

対外的にも凄い。当時年間世界第2位を記録した800万ダウンロードの『Flavor Of Life』を筆頭に、「エヴァの主題歌といえば宇多田」という定評を作り出した『Beautiful World』、ヒカルの名前も知らぬ幼子を大量に虜にした『ぼくはくま』など、本当に幅広い客層に敷衍した。更に『Prisoner Of Love』が新世代の支持を牽引、現在に続く「宇多田神話」みたいなものを確固たるものとしたのはこのアルバムの収録曲の数々があってこそだろう。『First Love』がピークと思われていた中で、数え方は異なろうが800万だ2000万だという『First Love』の750万を超える数字を出せる作品を作ったのは特筆に値する。ぶっちゃけ、ここで人気がV字回復したからこそこの2年後に人間活動宣言をした時にも「売れなくなったから引っ込むのか」的な誹りがほぼ聞かれなかったのだ。本当に惜しまれつつのアーティスト活動休止だった。このアルバムを作り上げたからだ。

自分が時を超えて感じる昂揚感は、そういった対外的な要素と、初めてこのアルバムを通して聴いた時の目の剥きよう驚きようが一生モノだったこととの複合的な感動の結果である。万が一まだこの作品を聴いた事がないのにこのページを開いてる人が居るのなら貴方は時間の使い方を完全に間違っている。ストリーミングで聴けるから一刻も早く『HEART STATION』をライブラリに登録しなさい。これは命令なのですよ。