無意識日記々

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木乃伊獲りが木乃伊になった訳じゃないけれど

マスメディアを使ったプロモーションで最も効果的且つ直接的だったのは『Flavor Of Life - Ballad Version』だろう。成功が確約されたテレビドラマ「花より男子2」の劇中歌として使用される中即日着うた配信をして爆発的なダウンロード数を叩き出した。当時の数値で年間世界第2位だったというから恐れ入る。曲の良さは大前提としても、1億2000万人以上の人口の国で全国ネット展開する地上波テレビ局のゴールデンタイムに美味しい場面で流される事が無ければそこまでの爆発力は発揮されなかっただろう。

 

こういう前例があるのだ。もう12年前の話とはいえ。近年でも3年前には『花束を君に』が半年間と『真夏の通り雨』が1年間毎日ペースでテレビから流され続けるというプロモーションが行われた。あたしゃRADWIMPS新海誠のことをズブズブと言ってみたがHikkiとテレビ局も頻度は少ないながらも結構ズブズブなんだな。

 

この経緯と「マスコミ恐怖症」をどう擦り合わせるか、だ。直接の仕事相手なら割り切れるところもあるだろうがツイートにもあったように1週間単位で張り込みや尾行をされるといった我々の与り知らない隠された弊害がヒカルには幾つも襲いかかる。そこを何とかしたいわけだ。それを念頭に置いて商売の話を考えてみよう。

 

 

サブスクリプション/ストリーミングサービスに参画する中でプロモーションをデジタル・ディストリビューションに絞るのもひとつの手だったが、それは机上の空論てましかなかった。ヒカルに期待されたのは、そのサブスクへの加入を促す旗印としての役割だったのだ。「ほら、いつでも宇多田ヒカルが聴き放題。これで毎月千円なら安いでしょ?」という具合に。

 

つまり、ヒカルはヒカルで既に知名度上ビッグになり過ぎていて単独で一個のメディアとして機能すると見做されているのが現状なのだ。「花より男子2」の高視聴率に助けられて800万ユニットを売ったように、他のミュージシャンたちがヒカルのサブスク参画して助けられるカタチで自分たちの利益を得ようとしている。ミュージシャンたちってより彼女らが所属する事務所なりレコード会社なりが、だが。

 

勿論ヒカルは自分がひとつのメディアだからといって誰かに有名税を払って貰える訳でもないのでそこが歯痒くなる一端でもある。そこからどうするかを考えるのが次回のテーマになるかな。