無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

コンプの要らないメリット♪

引き続き小森くん師匠のインタビューから。

https://natalie.mu/music/column/344551

── 一般的にはボーカルの音量にばらつきがあると歌詞が聴きにくくなるので、コンプレッサーという機材で音の大小を少し慣らしてレコーディングすることが多いのですが、宇多田さんの場合は自分で声量をものすごくコントロールして歌うので、そもそもかける必要がないんですよね。

「慣らして」より「均して」だろうがそれにしても。このあとの問答でヒカルがマイクテクニックを使わない、即ちマイクとの距離と角度を物理的に調整しない話になるのだが、これは確かにそう思っていたわ。余りヒカルはマイクを動かすのに拘らないなぁと。普通は例えば声を伸ばすときにはマイクを離して囁くように歌う時には近づける、とかするのよ。爆音を背にする時は殆どくっつけたりね。ヒカルのライブ・パフォーマンスを観ている限りそういう素振りはみられなかったが、そうか、全部自前で調整してるんだね。

つまりヒカルは、歌を歌う時に音程やリズムと同等に音量も“データ”として頭に入れている事になる。なんちゅう複雑な。勿論歌手ならピアニッシモからフォルテッシモまでの指定を参照して歌うのは普通だがヒカルは声の出し方ではなくて声の聞こえ方の方を意識して調整しているのだ。バックの演奏の強弱も加味して。器用というか、そこまで周りが見えて・聞こえているのはアレンジャー・プロデューサーも兼任しているからだろうかな。

20年聴いててもこうやって身近にいらっさる方々のお話を伺うだけで新たな発見がある。小森くん師匠に限らず他の皆さんも「俺は裏方だから」とか仰らずにどんどん前に出て来て貰いたいもんだ。何しろ、ヒカルさん自体が殆どの時間裏方さんやってんだもの。遠慮は要らないのですよっと。