無意識日記々

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むびのん21周年

月曜の朝は書く方も読む方もお互いなんとなくダルいので、毎度どちらかというとぬるっとした話題から入ることが多いねぇ。なるべく毒にも薬にもならないような、ね。

今日は『Movin' on without you』発売21周年記念日。1999年当時、それまでの2ヶ月半で『Automatic』が瞬く間に話題になり、さて次はどんな曲が来るのかと身構えた瞬間にこんな尖った曲を出してきたもんだからそりゃもう仰け反ったよね。あとPVを観て「中腰ダンスからいきなり予算が上がったな……」と。(笑)

まだまだこの頃は宇多田ヒカルがどんな人かよくわからなかった。この曲のリリース後すぐに『Message from Hikki』が始まったがあたしゃまだ当時パソコンも携帯電話も持ってなくてね、その存在を知らなかったんだわさ。今じゃ考えられないけどそれが現実だった。暫くしたらスポーツ紙なんかがWebで本人が発信しているとかなんとかでメッセの引き写しを記事にし始めてその存在を知るに至るのだがそれはまだもう少し先の話。

8cm/12cm合わせてダブルミリオンの大ヒットシングル『Automatic/time will tell』の次に全く違う作風のセカンドシングルを持ってくる攻めの姿勢をみて、あたしゃそこで初めて「この陣営は違う」と感じ取った。まー普通はね、よく似た曲調で畳み掛けるのが常道だったからね。BON JOVIの“You Give Love A Bad Name”からの“Livin' on a Prayer”とか安室奈美恵の“Body Feels Exit”からの"Chase The Chance"とかね。ヒカル陣営はそれをしてこなかった。凄いと思ったよ。

もっとも、売上記録を見ればわかる通りそれで枚数は半減とまではいかないまでも随分減って、世の中的には『Automatic』の一発屋になりかねなかったのだが、次のサードシングル『First Love』がね、あったからね、アルバムが鬼のように売れたんだよね。今は昔の物語。故に『Movin' on without you』での売上減少はそこまで話題に上ることは無かったな。

後にヒカルは『Passion』みたいな“売れそうもない曲”をリリースして本当に売れなかったりしたんだけど、そういう挑戦者魂は既にこのセカンドシングルの時点で確立されていた訳だ。その意味ではデビュー時から一貫してブレない姿勢でやってきていると言える訳で、いつだって周りで騒ぐ方の芯の無さが実態と実際をわかりにくくしているのだろうなぁ、と毎度感じ入っているのでありました。