無意識日記々

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『大空で抱きしめて』をライブで歌うなら

私やっぱり相変わらず『大空で抱きしめて』が大好きでねぇ。発売当初も散々語った事だけど、『DISTANCE』あたりを彷彿とさせるライトでポップなイントロから始まっておきながらいつの間にかエンディング付近では切なロマンティックでトワイライトなテイストに変わっているマジックぶりがホントに好き。なんだか小さい頃外で昼間っから夢中になって遊んでて気がついたら辺りが夕暮れで殆ど真っ暗になっていた時の事を思い出すのよね。また歌詞がいいんだこれが。朝や昼を思わせる一番二番の歌詞から最後の最後は邦楽史上に燦然と輝き続ける素晴らしい歌詞が目白押しの宇多田ヒカル歌詞史上に於いても屈指の一節ともいえる『天翔る星よ 消えないで 消えないで』で〆るという凄まじい構成美。サウンドと歌詞のグラデーションがこれでもかとシンクロしてるんだよね。寝ぼけた朝から夕暮れを経て切なさ満点の満天の夜空に包まれるまでを描いた大名曲。やっぱり大好き。

……なんだけど! この曲、『Laughter In The Dark Tour 2018』では歌われなかったんだよねぇ。しかも、アンコール大ラスの『Goodbye Happiness』が終わった後に「『大空で抱きしめて』歌わなかったねぇ……」と残念がったのでは、なく! 又吉直樹'sショートフィルムの途中でBGMで使われる事でコンサートで歌われない事が判明するというなんとも切な残念な展開で知ることとなってな! ほんと、あれ以来『大空で抱きしめて』のイントロを聴く度に又吉とヒカルの二人が土管に入って見つめ合ってる絵が暫く浮かんで離れなかったんだよね……いやホント、ライブで聴きたかったのにさーもーねー。抽選で外れてコンサート自体に行けなかったみんなからすりゃ行けた人間が何贅沢言ってんだって話だけど。

そんなだったから、今でも『大空で抱きしめて』のライブ初披露が待ち遠しくて仕方が無い。アルバム発売直後のライブでやらなかったんだから、もし今度ナマで歌う機会に恵まれたなら是非特別な演出を施してこの歌を歌うことの意味の大きさを明示的に表現して欲しい。

特に注目したいのはライティングだ。先述のように、この歌は僅か4分半余りの演奏のうちに朝昼や青空がいつの間にか夕闇や夜空に入れ変わっている所が最大の魅力だ。これを視覚的に表現出来れば、これまた宇多田ヒカル史上屈指の感動的な場面が演出できること請け合いですよ。出来れば、これもさっき述べたように、夢中になって遊んでたらいつの間にか日が暮れていたように、聴衆が気がついたら満点の夜空に包まれていた、みたいな効果が発揮されていれば満点だと思う。至極難しいと思うが、新曲の新鮮味でただ歌うだけで感動を与えられるタイミングで歌わなかったのだから視覚面でもひとひねり加えていった方がいいと思うのだ。ライブ初披露となった『Kiss & Cry』が『Can You Keep A asecret?』とマッシュアップされて選曲の意義を知らしめたようにね。

勿論、視覚効果は副次的なもの。この『大空で抱きしめて』をナマで歌うって、『テイク5』と『嵐の女神』を混ぜたかのようなプレッシャーがヒカルにかかると思うんだよね。その重圧に打ち勝ってベストなパフォーマンスができれば、一生忘れられないコンサートになると思う。それを直で観るまでは死ねないぜ。自分らの方が先に星になっちゃわないように気をつけないとね……って、幾ら気をつけてても、死ぬときゃ死ぬんだけどな! だから意地でも生きとけよっ!