無意識日記々

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Too Good Coriander

アルバム『初恋』の中盤、『Too Proud』〜『Good Night』〜『パクチーの唄』の流れが好きでねぇ。そこまでの5曲、『Play A Love Song』〜『あなた』〜『初恋』〜『誓い』〜『Forevermore』の流れがあまりに緊張感高いのでこのあとの3曲でそれなりにテンションが落ち着いてくれるのが助かるというかなんというか、癒しになるというか。ほっとするのよね。

特にこの3曲、サビがシンプルなのがよい。基本タイトル連呼するだけだもんね。『誓い』みたいに複雑なメロディ展開で翻弄してくれるのは感動的だけれど、疲れてる時にサクッと聴けて「あーいいねぇ」と呟けるにはシンプルなリフレインの方がいい。

『Too Proud ×4』

『Goodbye ×7 Good Night』

パクチーぱくぱく ×4 uh ぱくぱくパクチー

これだけなんだもん。兎に角聴いててラクだよね。また、シンプルであるからこそヒカルの歌唱力が存分に堪能出来るというのもある。『Goodbye ×7』の部分なんて、普通に歌ったら単調になってしまうところをまぁ繊細に歌い上げること。そうなのよ、一見シンプルでありながら、結局情報量自体は結構多いのよね。ある意味気楽に聴きながら心地よく騙されてるワケだ。

パクチーの唄』も『パクチーぱくぱく』の繰り返しだけで終わってたら退屈だったかもだけど、〆に『uh ぱくぱくパクチー』を持ってくる事で真逆の印象になる。印象を逆転させる為に最小限の違いで済ましてるってのもいい。『uh』ってたった一節(ひとふし)だけ挿入して、最後に『パクチー』と『ぱくぱく』を入れ換えるっていうね。リフレインはシンプルだけどそれだけじゃ終わらないっていう。

まぁ、シンプルなリフレインの究極といえば『traveling』とか『ぼくはくま』とかなんですけどねー。特に『ぼくはくま』の方は最後の『ママ』っていうクライマックスに持っていくのが絶妙の構成で。『嵐の女神』でいえば『お母さんに会いたい』なんだけど、『初恋』でのこの『Too Proud』『Good Night』『パクチーの唄』の3曲はアルバムの中でもお母さんみの少ない3曲だったりもします。まー『パクチーの唄』は『お日様の誕生日』がお母さんの事じゃないかとは思いますけどね、『嫉妬されるべき人生』の『母の遺影』みたいにあからさまじゃあないわな。そういう歌詞の色合いと楽曲の特性も相俟ってこの3曲はアルバム中盤で独特の役割を果たしてくれています。ここだけ取り出して聴くのもまた乙なのでございます。