無意識日記々

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シンコレの真価はコレかなアレかな

そうか、『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1』発売記念日か今日は。年度末に相応しいビッグタイトルね。初動140万枚、累計260万枚だったかな。そこから多分伸びてるよね。更に新古書店BOOK・OFFでも連続で年間1位を取り続けていたから、実際のリーチは300万どころではないだろう。まさに一家に一枚の究極的シングル・コレクションだ。

この年は更に秋に『EXODUS』の発売もあったので、実は長者番付で最も好成績だったのは『First Love』を700万枚売った1999年ではなくこの年2004年だったりもする。枚数だけでなく、ヒカルのクレジット(現金じゃなく、責任所在記述の方ね)が増えた事も考慮に入れねばなるまいて。

この、新曲の入っていないシングル・コレクションにおいて僅かにヒカルの息吹と体温を感じさせてくれるのが表紙の詩とブックレットにちょこっとだけ書かれている手書きの『思春期』の3文字だ。『SINGLE COLLECTION』だなんていう無粋なネーミングになる前はこれがタイトル候補だった、んだっけどうだっけ。

『First Love』という超有名曲がありながら『初恋』という名の曲をリリースした今のヒカルならどんな題名の楽曲を書いても不思議ではない。とすると、そろそろ『思春期』なんていうタイトルの曲を書いても不思議じゃない。あとはタイミングだが、10年後位、息子が思春期に差し掛かった頃が適当かもわからない。リアル思春期を目の前にして何を思うのやら。多分そのまま描くと息子が照れるので性別逆転とかしてきそうだけどもね。

このシングル・コレクションで英断だったのは、1曲目を『Automatic』ではなく『time will tell』にしたこと。短期的には、三宅さんの名言「『Automatic』は冬だ」に対する「『time will tell』は春だ」という表明、なのだろう。そして長期的には「時間がたてばわかる」、つまりこの作品、このアーティストの真価は時間が教えてくれるだろうという宣言だ。勿論ヒカルは当時から超ビッグ・アーティストではあるのだが、この16年、その成長には目を見張るものがあった。ここからもっと凄い事になるだろう。確かに、そうなればなるほどこの頃の作品は「若気の至り」、思春期特有のものが封じ込められていると感慨に耽れるというものだ。濃い濃い最初の5年間だったねぇ。