無意識日記々

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宇多田ピカソ所望論

最初『ぼくはくま』のシングル盤に絵本がつくと聞いてどんだけガッツリ絵を描くつもりなんだと期待したのだが、いざブックレットを開いてみるとベタ塗りさえしない線画の絵物語に目が点になったなー。

ただ、あれで十分なのだ。伝わるべきは伝わっている。もしかしたら〆切に終われて色塗ってる暇がなかったのかな?なんて一瞬思ったが、シルヴァスタインとかが好きな人だし、画面が白いのは気にならないんだろうなと気がついた。あれでいいんだね。

で、それはそれとして。もっとガッツリした絵本を全く別に描いてくれないかなというのはある。もっと言えば、例えばアルバム一枚に12曲あるなら12枚の絵を描き下ろしてみてくれないかなー、とかね。で、特別装丁でリリースする、と。これならみんなフィジカル買うでしょ。これでなくても買う人が大量に居るのがここの読者層だけども。

ただ、ヒカルさん凝り性だからね……12枚の油絵とかイラストとか用意するのに12年じゃ足りない、とか言い出しそうでなぁ。気持ちはわかるだけに遣る瀬無いぜ。まぁ、アルバム一枚だから無謀な訳で、シングル一曲だけ実験的に、という方がまだ現実味はあるか。

ヒカル画伯によるジャケット・イラストといえば『For You/タイム・リミット』だわね。でもあれ後追いで見た人何の絵かわかるのだろうか? 車はともかくゴリラは結構わかりづらいと思うぞ。まぁ、それも個性といえばそうなのだがな。で、あれ以来ヒカルがジャケットの絵を手掛けた事はないわけだ。『SINGLE COLLECTION VOL.1』には自作詩が載ってるけどね。そろそろそういうのもあっていいかなぁ、なんてな。

自作の絵本や手描きのジャケットは勿論素敵なんだけど、でも、いちばんインパクトがあるのは──宇多田ヒカルのアルバム・ジャケットといえば「ヒカルの顔のどアップ」ばかりな訳で、そう、そうすると「自画像」ってのがいちばん印象が強烈なんじゃないかな。これはいちど見てみたいぞ。本当にどんなものが出来上がるかわからない所がよさそうだ。『Laughter In The Dark Tour 2018』のアートワークだってシルエットだったし、あそこからの流れでやってみるのもいいんじゃない?