無意識日記々

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最近三曲のライブ映えを考える

「映え」といえばここ数年は「インスタ映え」の事をよく言うようだが、こちらとしてはやはり「ライブ映え」というのがいちばん私、気になります!ということで。

直近の新曲たちのライブ映えぶりはどんな具合になるだろうか。

『Face My Fears』には結構期待している。前に述べたようにアルバム収録時に別バージョンになっている可能性も考えたいし、何よりメロディーがシンプルなのでアリーナサイズにはちょうど良さそうなのだ。会場が大きくなればなるほど音響の制御が難しくなるので、音数が少なく見通しのいいサウンドがより映える。『traveling』とかね。『Face My Fears』にはそういういい意味でのシンプルさがある。そして、歌メロが器楽演奏と独立した編曲なのでライブアレンジがやりやすい。その時の演奏メンバーに合ったサウンドにアレンジ出来る。これは非常に大きくて、人間、演奏する時に楽曲への貢献度や思い入れが強いとあからさまに音に出るものなのだ。メンバーが「こういうサウンドは演奏しやすいな」とか「自分の個性で貢献出来たな」とか思えるとライブでの映え方がドラスティックに変わってくる。『Face My Fears』にはそういう未来が待っている気がする。もっとも、「ライブで演奏されない」という未来がいちばんありそうで怖いんだけどね今のところ。シングルで発売したんだからと油断するなかれ。『桜流し』も『大空で抱きしめて』も『Laughter In The Dark Tour 2018』では歌われてないんだぞ。

『Time』に関しては、アレンジというよりは構成の方をライブに向けて注目すべきだろう。特に後半は好きなだけストレッチができる気がする。『Laughter In The Dark Tour 2018』でいえば『Kiss & Cry featuring Can You Keep A Secret?』みたいな感じに出来そうだ。ヒカルのアドリブも沢山聞けるかも。これまたライブ映えという点では問題ない─どころか、もしかしたら次のツアーではハイライトを構成するかもしれない。

そして難しいのは、そう、『誰にも言わない』だ。宇多田ヒカルの最高傑作と言っても過言ではない一作だと私ゃ思っているのでライブに当選した暁には是非是非生で聴いてみたいものなのだが、この曲がライブ映えする未来がとんと見えないのだ。バラードみたいにじっくり腰を落ち着けて鑑賞する感じでもないし、かといってこのパーカッションでノリノリになって爆裂しようぜという感じにもなれそうにない。立って観ても座って観てもどこか中途半端になりそうで……。インスタライブが素晴らしかったのは、部屋で弾き語りをするというスタイルだったからだ。更に本人が「間違えても構わない」という比較的リラックスした態度で臨んだのも大きかった。親密で優しげな雰囲気が原曲の色合いと調和していたのである。うちらは家とかで観てたしね。

だが、これをアリーナで披露するとなるとどうなのか。原曲の編曲よりは弾き語りで押し切った方がとも思うが、それがセットリストの中でどういう役割を果たすのかが見えてこない。うーむ、これは結構難しい課題な気がするぞ。今までにない曲なだけに、嵌め込み方が難しそうだ。

ま、そういった“今の時点での印象”なんて、フルアルバムが出来る頃には雲散霧消しているんだろうな。また次のツアーが実現した時にこの日記を読み返して「何言ってるんだこの時の俺は?」と訝れるのも一興なので一応こうして書き留めておく事に致しましょうかね。それが日記というものなのですからね。