無意識日記々

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囁くように恋を歌う?

ビリー・アイリッシュがお気に入りだというブルーノ・メジャーの歌声を聴いてみた。彼女と同じように小さい声で囁くように歌ってる。最近の子たちはホント「マイクが拾ってくれるんだから声張る必要なくね?」っていう開き直りが清々しいわ。ポップスからエレキギターという五月蝿い楽器が消えてるのも大きいかなー。カフェで歌ってるどころか、部屋で隣に座って聴いてても聞き取れないくらいの小さな声。ビリーのお陰でトレンドになったけど、疲れてる時にはこれくらいがちょうどいい。あら今の若者は疲れてはるのかな。それはさておき。

ヒカルの歌声も、特に『誰にも言わない』では随分柔らかく大人しくなった。勿論曲の性質に合わせてというだけだろうけど、直前の『Time』が声量豊かにダイナミズム溢れた歌唱を聴かせていたから余計コントラストが映える。いつ聴いても心地いい。疲れた時にも勿論、いい。ヒカルが抑えた声で歌うのは、何とも魅力的ですなぁ。

そして今。自宅の自室に録音設備を整えている。デモ作りだけでなく本番のレコーディングまでするかもしれないと示唆しているだけに、部屋での歌唱がそのまま永久保存パッケージされる期待が高まる。そういえば宇多田ヒカルとしての一曲目『Never Let Go』は最初に録音したデモの歌唱がそのままアルバムに正式収録されているとか。もしかしたら自分の部屋で録ったのかもね。

で、部屋で歌うとなると、どうしても声量を抑えたくなるかもしれない。防音設備の有無もそうだが、なんとなく、習慣として、ご近所の手前、全開で声を張り上げる気持ちにはならないんじゃないかなーと。そうなってくると、『誰にも言わない』から更に進んで、それこそビリー・アイリッシュみたいに小さく囁くような歌を録音することにもなるのかも。ヒカルのことだから、でも、「ビリー・アイリッシュみたい、とか死んでも言われたくない」的な意地の張り方をしてくれそうな気がするので、全く違うアプローチで着地させそう。

自分がイメージするのはTHE BLUE NILEのポール・ブキャナンみたいな、ああいうの。洗練されていて優しくて、落ち着いていて。ケイト・ブッシュ的な方向で推し進めるとこれまた本当にケイト・ブッシュみたいになってしまいそうなので、そこらへん、バランスをとって「新しい宇多田ヒカルの歌い方」を確立させてくれそうな気がする。部屋で歌うことで。

片鱗は、勿論、インスタライブ最終回の『誰にも言わない』で見せていた、あの感じ。他にも『Part Of Your World』やら『Love You Forever』やら『Time (English Version)』やら『(Untitled) with KOHH』やら色々あったけど、部屋で歌う宇多田ヒカルが齎す新境地、実現したらそこはかとなくこそばゆそうで、ちゃんとまともに聴けるか今から心配になってるわ。ほどほどにお願いしたい所存です。こっちが照れまくりそうw