無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Show me the reason to be shorten.

っとと、前回「なぜ『Time』のMVはエディットされてるのか」について書いたが、肝心の「自分はこうじゃないかと思ってる」第4点について書くのを忘れていた。まぁ書いてる時半分寝てるからな……。

で。どう思ってるかというと、「差別化」である。御時世的に差別という言葉が危ういのであれば「多様化」とでも言い変えようか。わかりにくくなるけど。要は「ここでしか聴けない音源にしといた」ってことなんでないの。

もし無料のYouTubeで高画質高音質フルコーラスで放流してしまうと、ダウンロード購入や有料サブスクリプションで観賞する“甲斐”がなくなってしまう。折角262円とか550円とかのお金を払ったのに無料で聴ける方が高音質だったり便利だったりしたら損をした気分になるだろう。今回のMV解禁で改めて或いは初めて『Time』の音源購入を検討・実行してくれた人に対して少しでも買った甲斐があったと思ってもらうには、YouTubeの方をエディット・バージョンにするのがよかったのではないか。既に買っている人には、ただの音源としてみても78秒短いバージョンはある程度新鮮だろう。両方の視点からみて“悪くない”アイデアだったのではないだろうか。

これは、今後の方針も示唆するかもしれない。無料視聴者層に対しては昨今の風潮を鑑みて3分程度のMVを供給する一方、音源購入組に対しては5分程度のフル音源を提供する。リスナーの関心度に合わせたトラックを細かく用意しておく作戦だ。実際、ほんのちょっとの空き時間にさらっと聴けるのとか結構重宝する。着うた世代ならわからなくはないんじゃあないか。

となると、更に踏み込んで、今後オリジナル・アルバムでは先行シングル配信した楽曲の「アルバム・バージョン」を提供していく枠組みもまた考えられる。特にダウンロード購入組は先行シングルとアルバムで音源が重複するのは損した気分になる。ライブラリ管理の点からも煩わしい。その点、宇多田ヒカル陣営に関して言えば、アルバム発売決定後のシングル先行配信に関しては、特にiTunes Storeではアルバム内先行配信にしてくれているのでお財布的にも非常に有り難いのだが、アルバム発売決定以前の楽曲に関しては重複が起きざるを得なかった。リマスタリング程度でもいいので(とエンジニアの人の仕事を何だと思ってるんだな事を言ってますが)シングルとアルバムで差異を出していってくれるのが望ましい。

特にYouTubeは音楽アクセスとしては現在世界最強なんだろうから(よく知らないけど)、そこでのハイ・レピュテーションを獲得するのはコアファン層が脆弱な宇多田ヒカルのようなアーティストにとってはクリティカルであり、また、そこで如何に購買活動に繋げていくかも課題だろう。そういった事の実験も兼ねて今回『Time』のミュージック・ビデオが78秒短くなっていたのでは、とそう考えている私でありましたとさ。