無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

ふんわりを掘り下げ始めると案の定な件について

前回、本題がふんわり気味に着地したのでもうちょい突っ込んだお話を。

近年、という少し広めの括りでみれば4年前の『Fantôme』収録曲の『ともだち』はそれこそ「歌詞でリズムを構成する」曲の最たる例で。同曲は今までにないパーカッションとの絡み方といいますか、結構リズム自体は情熱的なのに完成されたサウンドは涼し気で、旧来からのむっつりスケベぶりに拍車が掛かった進化邁進中の宇多田サウンドだなと色めきたったものだった。『Ah ともだちにはなれない にはなれない』っていうニワナレナイの畳み掛けぶり。今週ずっと言ってる「口遊んだだけでリズムが生まれてくる歌詞」の雛形みたいなものだった。こういうのなんですよ、えぇ。

同アルバム一曲目の『道』もそこは結構際立っていて。こちらはどちらかというと、完成されたリズムに付随する形で歌詞が乗っていて、歌うだけでリズムが生まれてくるというよりは、バックの演奏のリズムを感じながら歌を乗せていくと心地よくなってくるというか。『It's a lonely, it's a lonely......』からの『road !』や『ah...』のタイミングとかね。副次的だけど、これもヴォーカルによるリズムの面白さに属するかもしれない。

これが、アルバム『初恋』収録曲となると若干雰囲気が変わってきていてな。まずアルバム全体の印象を大きく左右する一曲目の性質の違いというか。『道』と較べると『Play A Love Song』は同じくアップテンポながら全体的には優美なメロディーの流れを楽しむ構成になっていて。勿論中には『飯食って笑って寝よう』みたいな、それこそ『甘いワナ』冒頭の『道で偶然会う度に』的な「口に出して言いたい日本語」な名フレーズも続々飛び出してはくるんだけど、なるほど、アップテンポでもこういうスケールの大きな曲調だと、雰囲気として落ち着いた感じを与えるのもむべなるかな、と。

更にアルバム『初恋』では……って長くなっちゃったな。続きはまた次回かな。