無意識日記々

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タイトルには『・』を忘れずに

先日は『プレイ・ボール』の歌詞をちらっと紹介した。ふと気がついたのだが、もしかしてこの歌の歌詞って野球を知らない人にはなんの事だかサッパリわからないのでは??? その昔TBS系列で「ザ・ベストテン」を観てたら黒柳徹子が差し挟まれたプロ野球中継の映像を観て「どうして打ったら三塁に走らないんですか?」と言っていた。それを聞いてこども心に「大人でも知らない人は知らないんだなぁ」と妙に感心した覚えがあるが、スポーツって興味ある人とない人の落差が激しくて結構な文化的断絶があるのよね。知らなくても困らないし。いやおっさんは飲み屋で困るかもしれないがそれだって昭和の話か。

という訳でイチから『プレイ・ボール』の歌詞を解説するのも少しは需要があったりする、のかも。今までこの日記で取り上げたことがないしいい機会かもしれないなと思い。18年前の昔の曲だしもう八月末過ぎちゃってるけどなっ!

さて始めようか。

この歌は「意中の人に告白する決心を固めた子が突撃する模様を野球用語等に準えて歌ったもの」である。それをひとつひとつ見ていこう。

まず、そもそもタイトルの『プレイ・ボール』だが、これは野球の試合が始まる時に審判が告げる掛け声である。つまり「試合開始!」という合図だ。これがちゃんと歌詞に組み込まれているからきっちり押さえておかないといけない。

別にリフレインでプレイ・ボールを連呼する訳でもないので気づいてない人も多かろうが、一番Bメロで『流行りの歌が私かきたてる 勝負どころ』の裏で英語で低く『sounds like play ball』と呟いているのである。ヒカルの全歌の中でも最も地味な歌詞の中でのタイトル登場のうちのひとつかもしれない。

意味は「プレイ・ボールみたいに聞こえる」つまり「試合開始!だと受け止めました」という事で、

『祭りの音が野性呼び覚ます

 涼しい夜に熱を注ぐ

 流行りの歌が私かきたてる』

というシチュエーションが「時は満ちた!今こそ告白の時!」みたいな決意を固めさせた、さぁこれから『勝負ところ』だ頑張って告白するぞという場面で主人公の頭の中に響くのが「play ball !」の宣誓、掛け声だったということだろう。応援したくなっちゃうね。ちゃんとソーシャル・ディスタンスはとってね。

祭りの夜に告白しようといういじらしさと勇気と熱気と初々しさが混じりあったこの曲の序盤に相応しい歌詞。タイトルの登場の地味さからして後追いファンにはあんまり知名度がないかもしれないけど、今ならサブスクですぐ聴ける人も増えてるっしょ。まだまだメジャーリーグや日本プロ野球はシーズン中なので、いい具合に聴いてみては如何でしょうか。特に気分が変わらなければまだまだ続きます。