無意識日記々

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サブスクがいまいち普及しないねぇ

アメリカなどに較べて日本でいまいちストリーミングが普及しない要因は幾つかあると思うが、ひとつには「音楽ソフトを買う層があんまり音楽を聴かない」というのがあると思う。冗談みたいなんだけどさ。

握手券や投票券については言わずもがな、そういうのがついていないものでさえ、あまり聴かれない。昔からライト層もコア層も「とりあえず持っておきたい」という動機でフィジカルを購入して市場に貢献することが多かったのだ。

ライト層は「今話題だから知っておきたくて」買っていた。となると、そうそう何度もリピートするものではない。一方コア層は「コレクションとして」購入する人がとても多い印象だ。所有していたい、とか棚に並べて悦に入る、とか、買って飾った時点で満足して余り中身を聴かない。要は、音楽に付随するいろんなものを消費する人が沢山居たということだ。

あたしもそういうとこ結構あったし、それの何が悪いわけでもない。ただ、ストリーミングとなるとこれさ、「聴いてる回数」がダイレクトにわかっちゃう訳で、日頃音楽を流している/掛けている/鑑賞している時間量からして、音源が所有できないサブスクリプション・ストリーミング・サービスは割に合わない、という判断をする人が多いんじゃないだろうか。もっと言えば、売上に対して聴取時間が基本的に少なかったんじゃないだろうか。

もう一点、「音楽より人」という側面も強い。これは日本特有かどうかはわからないが、「なんて曲?」という関心より、「誰よこれ?」という関心の方が遥かに強いように思う。となると、関心を寄せる人のCDだけ買っていればよくて、「浅く広く沢山聴こう」みたいな風にはならないというか。こうなるとストリーミングの価値は低いわね。

ところでところてん。そんな風潮の中ヒカルの『Time』MVは間もなく公開から二ヶ月。そろそろYouTubeの再生回数の増え方が「宇多田ヒカルの新曲を聴きに」から「お気に入りの『Time』を聴きに」にシフトしている感じが出てきた。今160万回を超えた所だ。これは近年の曲の中ではトップクラスのペースだと思われる。ショートバージョンの再生回数まで足してしまうと『あなた』よりハイペースになるかな。なお歴代最高は断トツで『First Love』で唯一4000万回を突破している。もう殿堂入りだよねぇこいつぁ。

ヒカルは主要シングル曲の殆どをYouTubeでフルコーラス公開中ということで、ストリーミングを使っていないライト層の多くがここに押し寄せているように思う。なので、ここでのこういった再生回数は、絶対数もそうだが、全体の比率などもかなり参考になるかもしれない。特にコンサートとなるとファンクラブなしでの抽選になるので、会場での曲の人気はYouTubeの再生回数そのままになると思っても構わないくらいだ。それは言い過ぎにしても、無料でフルコーラス聴ける&普段から聴いている人の動向がわかるという意味で、Wikipediaに貼ってある各曲のシングル売上よりもっとライト層におけるじかの人気が現れているように思う。最初に触れた通り、買ったからといって聴いている訳でもないのだから。まぁ、人気があろうがなかろうが、自分の好きな曲やその日の気分にあった曲を鳴らすのが日常なのだという人からは「だから何?」と詰め寄られそうだけど、そうなると私何も言い返す事はありませんのよ、てへへ。