無意識日記々

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令和版:立って騒ぐか座って観るか

感染症禍下で少しずつ観戦やら観劇やらコンサートやらの楽しみ方が出揃ってきたようで。今後ソーシャルディスタンスがどういう風に看做されていくかは見当もつかないけれど、今まで通りって訳にはいくまいね。

しかし、これでなんか昔の議論が再燃しそうでなー。いやね、ボヘサマの頃から「宇多田ヒカルライブコンサートは立って観るか座って観るか」っていう「打ち上げ花火下から見るか横から見るか」みたいな議論が何度か繰り広げられてきているのですよ。年齢層も価値観も幅広いファン層を持ちながらコンサートの回数が少なくてコンセンサスや相互認識が追いつかない状況だったから巻き起こったことなんですけれども。

今後なかなか、いわゆるスタンディングライブ的な「もみくちゃコンサート」は受け入れられなくなってきそうでな。主催者側もだけど、観る方もね。みんな同じ方向を向いて大人しく、ってのがスタンダードになってきそうで。

となると宇多田ヒカルのコンサートも「立って騒ぐ」より「座ってじっくり」の方が主流になるのかなーと。

ヒカルもかつては「ばんばん盛り上がって欲しい!」っていうノリでね。というのもそもそもヒカル自身がオーディエンス側になった場合にそうやって楽しむからなんだけど。初めてクラシックのコンサートが2000年3月の庄司紗矢香さんなのでヒカル17歳の時か。それまではきっと「立って騒ぐ」方ばかりだったろうね。何しろ最初がウルフルズだし。そんなこんなで、皆の気質も相俟ってヒカルのコンサートはまぁある程度立ちはするけど盛り上がり方は控えめで、みたいな雰囲気だった訳だ。

で、二年前の『Laughter In The Dark Tour 2018』ではヒカルは落ち着いたドレスの衣装で(観てる方はそのセクシーさに落ち着かなかったかもしれませんが(笑))しっとりと歌い上げるスタイルで、アップテンポを交えながらもどちらかといえば歌を聴かせる公演になっていた。「これなら座って観るのもアリだな」と思ったよ私も。

昔は「年月が経つにつれてファンの方も歳をとる訳だがら、きっと徐々に座るコンサートになるだろう」みたいに思っていた。デビュー時15歳なのでファンって基本的にヒカルより歳上だったんだよね。歳下となると「おいおい、掲示板に中学生が現れたぞ!?」みたいになってたな。

だけど、何よ最近の若いファンの充実ぶりは。SNSに熱心なのが若い子たちというのもあるのかもわからないけど(それ以外知る方法ないし)、それにしてもな。彼女たちからすればコンサートは立って騒いで観るものなのかな? いや寧ろ、これから育ってくる世代は感染症禍下の雰囲気が基本になるから座って観るのがスタンダードになってたりして……。そう、昔からは考えられないくらいに「立って騒ぐか座って観るか」の分布図は複雑なことになりかねないのですよ。次のツアーがいつになるかなんてわからないけれど、タイミング次第でもそういう様相は変化していそうでね。まぁ、あれだね、ヒカルがそこらへんのコンサートのコンセプトをきっちり打ち出すのがいちばん手っ取り早いかな。嗚呼、それはいつの話になるのでしょうか……(いつもの定番の溜息による〆)。