無意識日記々

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ちな!みに、2009年発表の楽曲です。

前回のは総まとめじゃなく雑まとめというだけあって、例えば『FYI』とかが抜けてたねぇ。あれは副題に『-Merry Christmas Mr. Lawrence-』とあるように、坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」からの引用を元に楽曲が構成されている。これも有名な映画だから……と油断してると危ないか。大島渚監督作品で、デヴィッド・ボウイ坂本龍一ビートたけしが出演している戦争シーンのない静かな戦争映画で、音楽を坂本龍一が担当している一作なのですよっと。

その「戦場のメリークリスマス」は1983年に公開になっていて。ヒカルと同い年か。いやヒカルは早生まれだから学年としては一年……と思ったらインターナショナルスクールは9月始まりで……そもそもヒカルさん早いうちから飛び級していて……って考え始めるとよくわからなくなっていくので、兎に角生まれた頃の映画だと。

自分も小さい頃テレビで観た筈なんだけど内容はとんと覚えておらず。タケちゃんマンが真面目な顔してるなみたいな印象しかない。でも、坂本龍一によるテーマメロディはそれこそあらゆる機会に耳にするのでこちらはよくよくご存知で。

映画ってそういうとこあるのよね。実際に映画を観ていなくても、歌や曲はよく知られてる。シルベスター・スタローンの「ロッキー」を観たことがある人は限られているかもしれないけれど「ロッキーのテーマ」は誰もが知っている、みたいなね。

しかし、「戦場のメリークリスマス」の場合はそれが海外でも通用してしまうのが違うところで。そもそも坂本龍一のこのメロディを使おうと提案してきたのは当時アルバムをプロデュースしていた北欧の二人組STARGATEの方だったという。知らずに聴いたらヒカルが日本発の世界的に有名な曲を引用して皆の耳目を引こうとしているように見えるかもしれないけれど、真相は違っていてな。

勿論、曲の出来にそんな由来は関係ないのだけれど、海外の人が日本人に求める「日本らしさ」の中に坂本龍一が組み込まれているのだとしたらこれは結構な事だなぁと。とすると、Utadaやヒカルの曲もそのうち誰かに引用されたりしないのかというのが未来への妄想として捗る。キンハの主題歌たちは有名で、実際Skrillexは虎視眈々と十数年に渡ってチャンスを伺っていた(?)くらいでな。

だが果たして、「キングダムハーツの主題歌を歌っている人」というのは日本と紐付られて覚えられているのかなと。海外の人たちは『Simple And Clean』『Sanctuary』『Don't Think Twice』『Face My Fears』とフツーに英語の歌を聴かされている訳で、あの発音なら知らずに聴けばネイティヴにしか思われないだろうから。

となると、日本らしさの発露としてヒカルのメロディが引用される期待は薄いかもしれない一方、純粋にゲームやディズニーの世界観について象徴的な一曲として引用される方がまだありそうなことのように思えてくる。となると、「日本らしさの発露」としてよりもっと違う側面でヒカルの楽曲が捉えられていくことになり、そっちの方がヒカルにとっては好ましかったりするのかもなと。つくづく、いいコンテンツとお友達になれましたわねぇ。私一作もやってないけどね。