無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

卑小で個人的な大作主義への拘りの話

ダーティ・プロジェクターズの2分の曲を聴いた後にはイ・プーの「パルシファル」を聴く。10分の曲だ。ポップソングが大体3〜5分である事を考えるとまぁ大作主義の範疇に入るかな。兎に角後半メロディーの流れが途切れない。この長さになってしまうのも仕方ないかなと納得させられてしまう。

大作主義というときに、自分の場合は単純に曲の長さの事は指さない。主題が複数あって優劣が決まらない曲をそう呼ぶ事が多い。

なので、例えば『Kremlin Dusk』や『桜流し』は5分前後の長さの楽曲だが自分にとっては大作主義の範疇に入る。

まず単純に、曲が始まった時の雰囲気と後半の雰囲気がまるで異むているのが大きな特徴だろう。『Kremlin Dusk』の場合はテンポまで変わる。ヒカルの曲では極めて珍しい。あとは『Passion - after the battle -』くらいだろうか。

桜流し』も、静かに始まって暫く静かに歌っているのに、新しい主題として地の底から突き上げてくるようなベースラインが加わる事で曲調が俄に激しくなっていく。前半と後半で、歌メロは共通していてもその激情の発露ぶりはまるで別の曲のようだ。やはりこういうのは大作主義と呼びたくなるのよ。

こういった曲調の元祖はレッド・ツェッペリンの「幻惑されて」と「ゴナ・リーヴ・ユー」の二曲だと相場が決まっているのだが、ヒカルが一番好きなツェッペリンの曲は「貴方を愛しつづけて」なんだそうな。こちらは7分半の長い曲だがテンポがゆっくりだからそうなってるだけであたしが今言った大作主義の曲ではないわな。やっぱりメインの趣味という訳では無いのね。余談だがヒカルが「貴方を愛しつづけて」をカバーしたらとんでもないことになるだろうねぇ。

そんな諦念を抱いていた私にいきなり放り込まれてきたのが5つのパートからなる『誰にも言わない』でね。この曲を大作主義と呼ぶ人は世の中に誰一人居ないと思うけど、私の趣味にはドンピシャにハマった。こういうのなんですよ、えぇ。ホントにこの曲はPreciousだわ……いやcubic Uじゃなくってよ……プレシャス、大切ってことね。この曲があるだけで次作は既に大名盤確定なので大船に乗ったつもりで今居るところなのですよ。あぁ、アルバムはいつになるんでしょうねぇ。楽しみだわ。