感染症対策で今日東京は警戒度を最大限に引き上げるらしい。やっぱり、内実がどうであれ「初の全国感染確認数一日あたり2000人超え」ってのは聞こえ方としてインパクトがあるわな〜。ロンドンの心配してる場合じゃないでしょと海の向こうから言われてしまいそうだ。
感染症対策というのは、その人の「有害」に対する一般的態度をよく反映する事が多くて。徹底して隔離を実施しゼロにはりつけようとする人と集団免疫を目指して許容しようとする人の大きく二つに別れる。そして、どちらもワクチンの有用性に期待していてその点は異論は少ない。
面白いのは、誰も「ウィルスをやっつけよう」とか言い出さない事だ。まぁ感染者ごと焼き殺すとかも含まれてくるので表立って言う人居る訳ないんだが。誰もが絵空事として妄想すら働かせない。ウィルスはすぐに増殖して拡散して潜伏するので、銃器で攻撃してどうにかなるものだとは誰も思わないだろうな。
情報というものも、すぐに増殖して拡散して潜伏する。「コンピュータ・ウィルス」という言葉が非常に古い事からもわかる通り、情報とウィルスの本質はとても似通っている。人に感染して対象として一体化してしまい銃器を向けられなくなるとことか、そっくりだ。
ところが、リアルのウィルスと違い、情報なら攻撃すれば撃退できると勘違いする人がまだまだこの世の中にはいるらしい。Twitter社が「嫌い」ボタン実装を計画しているという記事が出たそうな。流石に観測気球というか、社内のアホを説得する為に敢えて情報を出したのだろうと思うが、その社内のアホさんは是非ウィルスにも攻撃を仕掛けて撃滅させて欲しいものだ。もちろん、皮肉です。
嫌いというシグナルを送って拡散する事自体が有害な情報生成そののだという気づきに至れていないのかもしれない。基本、有害なものは触れないに限る。誰も自分からウィルスに触れにはいかないし、ウィルスに感染した人に対して「お前は有害だ」とわざわざ言いに……行く人がいるから世の中怖いな……。
無視すればいい。カルトがいかに有害な教義を唱えようと、信徒と資金が集まらなければどうにもならない。特に不特定多数の人に対して情報を発信する時は「これは有害だよ」と告げるのは完全に宣伝、即ち拡散の拡大だ。注目を集めなければ、大衆の中の賛同者を炙り出すこともない。
とはいえ、有害な情報に対して全く触れなくていいのかというところで意見が分かれる。一生触れないようにしよう、というのがウィルス感染を隔離政策でゼロにはりつけようとする人、情報に対してもウィルスと同じように世の中である程度免疫をつけるべきだと野放しを許容する人、その間のグラデーションと様々だ。
ではどうするかというと、「ワクチンがある」というのが人類の総意である筈だ。専門家がウィルスを徹底的に管理分析して弱毒化したウィルスで免疫を獲得していく。これが人類の英知の結晶である事は疑うべくも……なくもないのがまた現実の怖い所で……子宮頸がんに関連する諸々に携わる皆様、本当にお疲れ様ですm(_ _)m
情報も同じで、専門家が管理した擬似的な(弱毒化された)有害情報に身を馴らす事で対処していくのがいちばんだ。学校教育は勿論のこと、社会人にも気軽にアクセスできる「ワクチン・プログラム」を構築するのが望ましい。決して、「嫌い」という、集団化すればそれ自体が有害な情報に変異するボタンを設置することではないだろうよ。