無意識日記々

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『Flavor Of Life』の影響力を振り返る

そうそう、『Flavor Of Life - Original Version - 』ってテレビで歌った事あるんだよねぇ。TBSの「COUNTDOWN TV」か。流れからするとこのあと「花より男子2」の第8話か9話でバラードバージョンではないこちらのオリジナルバージョンが劇中で流れた気がするんだが今検索しても記述が見当たらない。何の為に日記書いてるんだ貴様……っ!

Flavor Of Life』のタイアップは奇妙な設定が幾つかあった。まず、その『Flavor Of Life - Ballad Version - 』という、CDシングルでいえば2曲目にあたる“カップリンク曲”が真っ先に注目を集めた点。これはタイアップ先のドラマ「花より男子2」の第1回放送の劇中でまずそのバラード・バージョンの方が流されたからだが、これ、未だに勘違いしている人多発らしいんだけど、こちらの『Flavor Of Life - Ballad Version - 』はドラマ「花より男子2」の“主題歌”ではない。イメージ・ソング/劇中挿入歌扱いなのだ。主題歌は嵐の「Love so sweet」の方。この関係性もまた奇妙だった。チャート上では発売日が1週間違いでそれぞれの楽曲が初登場1位を記録している。

その「チャート上では」という点も、14年前の2007年当時は奇妙だった。『Flavor Of Life』のCDシングルは同年2月28日にリリースされたのだが、その頃にはこの曲の熱狂は随分落ち着いていたのだ。というのも、最もこの曲が爆発的に注目を集めたのはドラマの第1回放送日である同年1月5日だったからである。

ただオンエアされただけではなく、同時に携帯電話の着信用に「着うた」としてリリースされたのだ。これがもうとんでもない数ダウンロードされて一時的にではあるがダウンロード数世界一の楽曲として認知される事になった。時期をずらして着うたの別バージョンもリリースされるなどして『Flavor Of Life - Ballad Version -』は1月2月の話題をかっさらった。それが落ち着いた頃に漸くCDシングルが発売されたのだ。「ダメ押し」という感じでしたね。

長い目で見直すと、ここらへんから、新曲のプロモーション・リズムが変わったのだ。それまでは、オフィシャルサイトでサンプル音源数十秒先行公開とかラジオで最速オンエアとか、そういった手段で新曲のプロモーションが開始されてCDシングルの発売日に繋げていた。この『Flavor Of Life』から、ドラマでいきなり流れて同じ日にもう(一部分だけであるとはいえ)音源が購入できるような早いテンポのプロモーションが展開されるようになったのだ。

例えば昨年の『Time』はドラマのエンディング・テーマとして徐々に歌の内容が詳らかになっていくプロセスを経てフルコーラスの音源をリリースする、という流れになっていた。このように、様々なバリエーションで音源公開していく手段を確保出来ているのが現行の方法論だろう。

確かに最近は、例えばラジオで曲が流れてきた時にサブスクで検索してすぐに曲が出てこなかったりしたらもうその時点でその曲については忘れてしまうような事が増えた。どこかの媒体で音に触れれた時に既に音源がリリースされていないと人々の気を引くチャンスを失ってしまう。良し悪しは別としてそんなのが日常になっていたりするのだが、そういうリズムの先鞭をつけたのが例えばこの14年前の『Flavor Of Life』だったりした気がする。多方面に対して大きな影響力を及ぼした宇多田ヒカル最大級の大ヒット曲のひとつと言えるだろうね。