無意識日記々

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Can you give us one more beat?

『One Last Kiss』で気になってるのが「曲があの曲調のまま終わるのか?」という点だ。四つ打ちのバスドラはしっかり入ってはいるものの、肝心のスネアドラムの音がない。TV SPOTで聴ける部分でオフサウンドで遠くに聞こえるのみだ。

歌詞の面でフランスがテーマのひとつになっているのは間違いないので、往年のフレンチポップスみたいにスネアが入ってもブラシ程度、みたいな曲なのだろうか。それとも、後から『traveling』みたいなガッツリダンサブルなサウンドになるのだろうか。

そこらへんが、映画の内容とシンクロしている気がする。やはりベタなエンタメ作品なのであればイケイケなビートの主題歌がラストに流れてくれた方が格好がつく。同じく強いビートを持った『Beautiful World』へのオマージュが含まれているのなら尚更だ。或いは、そもそも大人しい内容の映画なのだろうか。『桜流し』を提供した「Q」などは、冒頭こそ派手なシーンをフィーチャーしていたものの、全体的には落ち着いたというか、悩ましい作風になっていた。『桜流し』はそこの空気を掬いとってそこから展開して激情の奔流を描いてみせたが、『One Last Kiss』とシンエヴァとの関係性はどうなのか。

『私だけのモナ・リザ』って、結構よくわからんのよね。モナ・リザという呼称には「リサ夫人」程度の意味しかなく、エヴァ的にそれが母親を指すのか恋人や伴侶を指すのか憧れの対象を指すのかよくわからない。映画供給側としては予告で流れる歌の部分は映画のイメージを決定づけるだけにそこはやっぱりちゃんと意味が通っているのだろうと思う。それと共に、もし『One Last Kiss』があそこから明確なビートを刻む曲調に変化するとするなら、歌詞の面でも何か変化があり、そこから歌詞全体の解釈が入れ替わる可能性も出てくる。予告編の公開、TV SPOTの放流によって既に伏線が張られているという捉え方をしてみる訳だな。深読みし過ぎかもしれないが、今のところ『One Last Kiss』には「抑えた感じ」がどこか漂う。『桜流し』だって曲冒頭の曲調からは考えられないほど重く美しい展開を見せる曲だった。『One Last Kiss』についても、予断も油断も許されないだろう。

どうやら直前に、またQの時のようにシンエヴァの冒頭の何分か(今回は12分?結構あるね)を先行公開するらしい。そこで見れる何かが、『One Last Kiss』の曲調について何か示唆を与えてくれるかもしれない。…いやでも、あと5日もすればフルコーラスで聴けるんだけどねっ!