無意識日記々

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喪失・傷・記憶

さてさて一方「不滅のあなたへ」のオンエアまであと3週間を切った。事前番組などで『PINK BLOOD』がナレーション被りナシで聞けたりと少しずつ楽曲の特色が顕になってきている。

歌詞は未だよく聴き取れないけれど、恐らくだが「覚悟」みたいなことを歌っているように聞こえる。自身の言動や決断に怯まない事。昨夜の放送で庵野秀明も監督としての「覚悟」について語っていた。ヒカルが言うには愛とは覚悟することなんだと。相手がどういう対象なのかという具体論には一切触れずに、ただ自分が愛すると決めたから愛する事が愛だということだろうか。自己言及的な定義でなかなかにお気に入りだが、要は腹括れってことですわね。

不滅のあなたへ」には最近のヒカルの作詞におけるキーワードが設定の根幹として出てくる。喪失と傷と記憶だ。

例えば『One Last Kiss』では、以下のようにキーワードを当て嵌めることが出来る。

喪失:『止められない喪失の予感』

傷:『誰かを求めることは即ち傷つく事だった』

記憶:『忘れたくないこと/忘れられない人』

『誰にも言わない』もそうだろう。

喪失:『いくつもの出会いと別れ』

傷:『一人で生きるより永久に傷つきたい』

記憶:『振り返って思う』

不滅のあなたへ」の主人公フシは、傷を負い喪失し記憶に留めるその過程全体を以てアイデンティティを形成するという非常に独創的なキャラクターだ。詳しくはオンエアをお楽しみにというところだが(漫画を既読の方はわかるかと思います)、これほどまでに今のヒカルの作詞に相応しい人物(ヒトじゃねーけどな)もそうは居ないだろう。よくもまぁこんなタイアップの話が舞い込んできたものよ。

感染症禍下のスケジュール変更の連鎖は創作の順序を把握する事を困難にしているが、もしかしたら逆に、ヒカルが「不滅のあなたへ」の漫画原作を読んでそこから影響を受けた歌詞が『PINK BLOOD』以外にも波及している可能性があるのかもしれない。オンエアは始まっていないし歌もまだ30秒しか聴いていないけれど、いやぁいいタイアップだったねともう総括したくなる気分になっている。あとは、もうなんか、具体的にどうなっているか確かめるだけ、みたいなな。とっとと太鼓判を押してしまいたいと思います。どんっ!