無意識日記々

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part 3 of "Da Capo ≒ Rebuild"

最初に『Beautiful World/Beautiful Boy』のコーラスを二回繰り返した後にやっとヒカルのメイン・ヴォーカルが動き出す。ここまでで既に1分31秒。『ぼくはくま』だったら感想が終わって三番に入っている長さだ。歌詞はオリジナル同様最初のサビの部分になる。

『もしも願い一つだけ叶うなら

 君の側で眠らせて

 どんな場所でもいいよ』

そしてもう一度『Beautiful World』のコーラスが入ってくるのだが、ここでオリジナル・バージョンなら『迷わず君だけを見つめている』と歌う所を、歌わない、のだ。そのままもう一度『Beautiful Boy』のバックコーラスが入ってきて“仕切り直し”になる。どうなるかというと、そこまでになかったギターコードをひとつ挟んでヒカルもハミングで繋いでもう一回、

『もしも願い一つだけ叶うなら

 君の側で眠らせて

 どんな場所でもいいよ』

の部分を歌うのだ。兎に角ここで引っ張るというか溜めるというか勿体ぶるのがこの『Da Capo』の大きな特徴といえるだろう。

とはいえ、二回目のこのパートはただ繰り返すだけではない。『君の側で眠らせて』には分厚いバックコーラスが加えられている。

そして、やっとこの繰り返しを経て漸く『Beautiful World』の後に『迷わず君だけを見つめている』、『Beautiful Boy』の後に『自分の美しさ まだ知らないの』が歌われる。『Beautiful World』のコーラスに合わせて力強いバスドラのキックとベースのルート音がユニゾンで奏でられる。『忘却』や『誰にも言わない』を彷彿とさせるねぇ。そこからパーカッションも入ってきて俄に音像が賑々しくなってくる。そこでやっと、ようやっとベースラインが走り出す。2分39秒のことである。なお『ぼくはくま』ならもう曲全体が終わっている。『HEART STATION』アルバムで言えば『虹色バス』のイントロが始まっている頃合いである。

オリジナル・バージョンと較べても同じベースラインが出てくる迄には50秒だから約2分近く引っ張っている事になるんだなこの『Da Capo』は。この序盤の焦れったさこそ真骨彫というべきか。これだけ引き伸ばしても間延びせずに音像の緊張感を保ったままリスナーを惹き付け続けるアレンジのセンスは流石だなと思わされる…のだけど、このバージョンが苦手な人はきっとここを「かったるい」と言うのだろうな。それは残念だが仕方ない。実際長いもんね。ぼくはくまがすっぽり入って余る長さの「イントロ」なんだから。その大胆さが魅力なのですが、まぁここは実際好き嫌いが別れるでしょーな。次回はそのベースラインが入ってきて以降の話になりますかね。