無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

『ばっか』&『…ばっか』

Da Capoではヒカルが

寝ても覚めても少年マンガ

 夢見てばっか

 自分が好きじゃないの』

のパートの『ばっか』の部分をオリジナルに較べて柔らかく可愛らしく歌ってくれている。ここがホントにツボでねぇ。いやっほぉっ!ってなったよ。

映画館で最初聴いた時もここに差し掛かった時点で「鼻声だしやっぱ新録なんだな」と確信させてくれたくらいにここの歌い方はオリジナルと際立って異なる。2007年当時テレビで何度か披露した時も2009年のリミックスの時も2010年の『WILD LIFE』で歌った時もこうではなかったからとても新鮮だ。

恐らく、バックのサウンドがほぼベースとドラムのみで結構スカスカでまだこれからリズムにノっていく前段階という構成があるからだろう、こうやって隙間の多い音空間の中でなら柔らかく跳ねさせてもちゃんとアクセントになると計算してこう歌っているんだろうな。いつもながら緻密だ。

前回の『ん〜んん〜』もそうだったのだが、リズムの押しが少なく聴き手を引き込む要素がバックのサウンドに乏しい中でこういう小さな変化でフックを作ってリスナーを「ん?」と振り向かせる術にホント長けてるのよね。

更に。さっきはこの『ばっか』を「柔らかく可愛らしく」と形容したが、そういうこどもっぽい悪戯心みたいなニュアンス、まぁつまり“かわいげ”ってやつだね、それを感じさせる一方でそれを優しく見守るオトナな目線も同時に感じさせるのがこの場面の小憎たらしいところでな。

仕掛けは結構単純で、右チャンネルでヒカルお得意の低音な『夢見てばっか』がバックコーラスとして加えられているのだ。ここの声の出し方の「優しいお姉さんっぷり」といったらない! しかも周到な事にここに至る為にその前段、『少年マンガ』の部分では左チャンネルでその低音バックコーラスが先触れ登場している。

左から

『しょうねんまんが』

と呟かれたあと直ぐに

右から

『ゆめみてばっか』

と優しく囁かれるものだからこれがもう悶絶で。最近人気のASMRってこういうのなんだな!と勝手な勘違いをしてしまうほどだ。でもまぁバイノーラル録音的ではあるよね。

真ん中からの『ばっか』でそのかわいげにやられ、その後ろで左右から『しょうねんまんが/ゆめみてばっか』と囁いてくれるお姉さんでパイセンなヒカルのセクシーさに二度やられ。ほんとこのパートの罪作りなことといったらないですよ。聴けば聴くほど癖になっていくのです。やれやれだぜ(笑)。