無意識日記々

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OP vs MV

不滅のあなたへ」のオープニング・アニメーション、何度観ても非常によく出来ていて、段々不安が増してきてしまっている。いやね、『PINK BLOOD』のミュージック・ビデオはこれを超えてこないといけないのよ。でないと、「なんだ、アニメ映像でよかったじゃん」て言われる。

『PINK BLOOD』MVディレクターの谷川英司氏は実績も申し分なくまたかなり独創性の強い方のようだがそれも諸刃の剣でな。映像としてのクォリティが高くても歌に合ってるかどうかはまた別で。彼が才能に溢れていればいるほど危険よな。何しろアニメの方はしっかり楽曲に寄り添った上で原作ファンを唸らせているのだから、MVの方で我が強い作風だと抵抗感がより強くなるかもしれない。

アニメOPってのはそこまでアーティスティック・インプレッションを競う場ではなくサービス精神がものを言う。なので、宇多田ヒカルファンやJ-popファンに好評を博すのはOPアニメとMVのどちらになるのか。OPアニメの方は普段アニメを観ない人にとってはそこまで感銘はないだろうし、一方MVの方は映像世界のアクが強ければ強いほど敬遠される。残念ながら宇多田ヒカルが取り組んでいるのは常にPopular Music、大衆音楽なのでマニアックだったりエキセントリックだったりはそんなに要らないのだ。無難かつ高品質でないといけない。これが如何に難しいか。ヒカルは音楽でそれを毎度やってのけているのだが、果たして『PINK BLOOD』のミュージック・ビデオはどのような狙いで作られているのやら。

つくづく、『One Last Kiss』MVは反則だったなぁと。被写体の魅力で押し切るという、“素材の美味を最大限引き出すのが真髄”という和食みたいなコンセプトだった。回らない寿司みたいな。一方フランス料理はソースを凝る方向に進化し…ってなんだあたしゃ腹が減っているのか。

今度もそれでいいっちゃいい。寧ろずっとそれでいい。こっちは別に飽きないので。ヒカルはどうせ「ずっとおんなじだと飽きちゃう」っていうんだろうけど、こちらは毎回OLKMVのコンセプトでいいので。勿論、他の手法で高品質な映像が撮れるというのならやってみればいいのだけど、庵野秀明が「ひたすら宇多田ヒカルを撮れば凄いものが出来上がる」と示してしまった。ベストの方法が目の前にあるのだからそれを究めるべきだろう。いや、OLKMVがあの路線の頂点だから次からは他の山に登るしかない、というのなら納得なのですが。それでも、つまらない映像を撮る位ならヒカルをずっと映しといてよというのが、本音なのですよ。

『PINK BLOOD』のミュージック・ビデオはいつ公開になるのか。恐らくフル配信解禁と同時とみてるがまだまだわからない。それまでは、「不滅のあなたへ」を毎週楽しんでおくことにしますですよ。今夜は第3回か。何を書いてもネタバレになりそうなので、「観ましょう」とだけ、書いておきますね。ほんと、こんなハイクオリティなアニメ化で嬉しいですわ。