無意識日記々

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なおみさん頑張って

週末は大坂なおみ全仏オープン2021の記者会見を拒否した事が話題になっていて。どうやら運営側が大坂選手の四大大会出場停止も辞さない模様。こういう場合に選手を守らず(しかも女子テニスの看板選手を!)敵対的な態度を取ってくるとかどれだけメディアの力が強いかがわかる。

彼女か「change makes people uncomfortable.」とツイートしているように、変化を起こす為には時としてドラスティックな行動に出る事も必要だ。テーマによっては従順なふりをして時間をかけて崩していく手法も取られようが、大坂なおみは現役のスポーツ選手として競技生活のタイム・リミットに敏感なのだろう。1.5万ドルの罰金も承知の上で迅速に行動した。四大大会出場停止はそこを更に攻め立ててくる案だが、果たしてここからどうなるのやら。

メディアというのは本当に厄介な存在で。我々の写し鏡でもある訳だ。何故彼らが居るかというと、彼らの産む記事を我々が読むからである。我々がそこに自覚的にならない限りメディアの横暴は無くならない。

2013年のヒカルにメディアから与えられた心の傷は如何ばかりであったかを思うと未だに心が痛む。いや、ヒカルの痛みに較べたら痛みでもなんでもないけれど、苦々しい思いは残っている。よくぞ今それなりに回復してテレビとか出てくれてるよなぁ、と感謝せずにはいられない。

あたし個人も、地上波テレビが無ければヒカルに出会えていなかった訳でそれに対する感謝が消える事はない。昔からそういう愛憎相半ばする存在なのが大型メディアというものだ。彼らが居ないと知れない、だけど彼らの言動は許せない──という情報を人質に取られた膠着状態は、インターネットが隅々にまで行き渡った令和の今も厳然と残っている。

大手メディアへの反発心で担ぎあげられた中小のメディアは公益性の建前を持っていない分大手とは比べ物にならない程に情報の質が落ちる。「貴方は詐欺師に騙されていますよ」と言い寄ってくるのは更に無責任な詐欺師に過ぎない、と大半の人達が気づくまでにあと何十年掛かるかわからない。そんな状況で大手メディアの情報の質が上がるとは思えない。寧ろ現況は両者が情報の質を下げあっている状態だ。

暫くはどうにもならないだろう。ヒカルもこのあと、六月以降、もし仮にニューアルバムの話が出てくるとなれば大型メディアとの交流が始まってしまう。携わる人達一人一人に悪気は無くともシステム自体が牙を剥く現状では、誰も責任をとらない、いやとれない時間帯が続いていくだろう。ボトムアップで地道にライブ活動や草の根運動を続けてファンを増やしてきた訳では無いシンガーソングライターにとって大手メディアは令和の今でも生命線だ。新劇エヴァは日テレの全国ネットによって今の興行成績に辿り着けたし、「不滅のあなたへ」は全国規模の受信料に支えられている。そこでのタイアップでの恩恵を無視する事は出来ない。まぁもうどちらかというと恩恵を与えている立場かもしれませんが。いずれにせよ、このスケール感との関係性はデビュー22年経った今もさほど変わりはない。

うちらファンからすれば、自宅からインスタライブしてくれたりスタジオからストリーミングしてくれたりすればそれで十二分なのだが、それはもう既にヒカルを知ってしまっているから故の「既得権益」でしかない。これからヒカルを知ってくれる人々(うちらの将来の友人たち)にとっては、やっぱり何らかの大型メディアが必要なのが現状だ。誰のわがままが次世代の利益になるか、苦渋の時代はまだまだ暫く続くと思うよ。