無意識日記々

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どうみてもノッカーでした

で。球といえば、「不滅のあなたへ」の主人公フシの初期状態だ。何の器も獲得していないマッサラを球体で表現するのはそれがどこにも偏らない存在、図形だからだろう。だから『PINK BLOOD』MVにも「不滅のあなたへ」の影響はあるのかな…?というのが今回のテーマ。

昨夜の放送で第10回まで来た「不滅のあなたへ」。最初に触れた通りこの作品はどこまでも尻上がりに面白くなっていく。まさか酒爺の悪戯心が攻撃力、しかもノッカーに対する天敵なような能力に転化するとは最初読んだ時作者の異能に益々慄いたですよ。ほんとこの人の脳はどこかおかしい(笑)。(褒め言葉)

その今後も敵として立ちはだかってくる「ノッカー」のデザインが「木」だというのもまた独創的だ。

とくれば、もしかしてそれを意識して『PINK BLOOD』MVには森林パートが組み込まれてるのかなと思って。だが谷川監督のインタビューを読んでみても『不滅のあなたへ』のフの字もありゃしない。うーむ、全く無関係にあんな映像撮ったのだろうか。

そこらへんのことも確認してみたくて銀座のエキシビションで公開されたあの「簡易植物園」的な一角を観てみたのだが、いや、これがどうみてもノッカーでな。そのツタの絡まり具合とかもうね。しかもその中心に鎮座する「植物衣装」よ。これは『PINK BLOOD』本編では土に埋もれて首元程度しかみえていないのだが非常に精巧に作られていてね。江戸っ子は裏地に拘るじゃないけれど、見えてない所にこれだけ力を入れるとか、クリエイターとしての矜恃なんかねぇ。

スタイリストの山田直樹氏のコメントを引用してみる。

「(植物の衣装)

万物との共鳴、植物融合。自然に還るような世界観。

alice auaaさんから生地提供して頂き、蜘蛛の巣のようなオリジナル生地と実際の植物を10層以上にも重ねて製作しています。

繊細な細部までご覧ください。」

https://www.utadahikaru.jp/news/detail.html?id=529842

「万物との共鳴、植物融合。自然に還るような世界観。」って完全にフシとノッカーのことじゃん。そうなのよ、この植物衣装、まるでノッカーがフシから奪った器に擬態したときみたいな質感なのよ。立体的だけど中身の無い、植物的な手触りで(実際は触ってないよ。見た目の話ね。)、幾重にも繊細に層を成してて…それが「土に還る」ってコンセプト、やっぱりノッカーじゃん。谷川監督も山田氏もコメントで触れてないだけで、やっぱり「不滅のあなたへ」を意識した世界観を構築していたような気がするよ。これも、MVを観ただけでは言えなかったかもしれない。銀座で実物をみてライトアップされた植物衣装をみてそう思えたのでした。

なおこの「簡易植物園」、親切なスタッフのお兄さんが教えてくれたところによると、毎日水をやって世話しているそうな。生きてる植物ダイレクトにもってきてたんかい。もし全国でこのエキシビションが催行される場合、この植物衣装の一角は持ち出せないかもしれないな。スタッフもヒカルも「縮小して開催」的なことを言っているのは、ここを持って全国を回るのが不可能だからなのかもしれない。もしそうだとしたらちょいと残念だわねぇ。