目下最新曲の『PINK BLOOD』。そのタイトル発表当初から言われてきたのが、
「そもそも『PINK BLOOD』って、、、何?」
という根本的な疑問だった。この二語で一体何の事を指し示しているのかと。
で、ついさっき某所で今までで一番腑に落ちる解釈を知った。
「『PINK BLOOD』は“涙”のことでは?」
ああああ、目から鱗が落ちるとはこのことかと! そうか、そうすればいろんな要素が繋がっていく。
まず、涙は血液が主成分となっている。血からその赤いヘモグロビンを擁する血球を除いたものが涙なのだ。つまり、この『PINK BLOOD』の“PINK”は薄まった赤(ほんのり桜色)、血球を取り除いた血だという解釈が出来るのだと。
実際、血の涙、血涙を流すなんて表現もあるし、物質的な話をおいても血と涙は密接な関係にある。
前回までに『PINK BLOOD』に現れる涙は粒、球の形をしているという話をしてきたが、そもそもタイトルの『PINK BLOOD』が涙の事ならば、その涙の粒からコンセプトとして「円と球」が導かれたのも自然な流れだったのかもしれない。
そして、当初からこの『PINK BLOOD』には「降る」イメージが強かった。アニメの第一話やOPもそうだけれど、サウンド面においても雪や花びらが降ってくるイメージと重なっているように感じられていた。なるほど、これも『PINK BLOOD』が涙の事であれば納得だ。涙は零れ落ちるものだからね。「『床に何個も落ちる涙』こそが『PINK BLOOD』の正体だったのだ」と言い切ってしまってもいいのかもしれない。
それは『SAKURAドロップス』のイメージとも重なる。折しも、つい先日に同曲の
『降り出した夏の雨が
涙の横を通った すーっと』
の歌詞を引用したが、これも、舞い落ちる桜、降り出した夏の雨、そして目から零れ落ちる涙が重なり合っている歌詞だ。『PINK BLOOD』もこれと軌を同じくするとすれば、当初からの雪や桜が舞い落ちるイメージと重なる点にもまた合点がいくわけだ。
ミュージック・ビデオでも『SAKURAドロップス』との相似は指摘されてきたが、「桜drops」と『teardrops』の類推だった訳だね。谷川監督、かなり作りこんでくれたんだな。
『PINK BLOOD』が涙の事だと解釈して歌詞を聴き直すせば、
『キレイなものはキレイ』
というのが涙を指しているとすればとても美しいし、『床に何個も落ちる涙』から『コドモのままじゃいられないわ』というのは、泣くことで成長していく『Fight The Blues』の『流した涙は ぼくの自由』をも彷彿とさせると。よくできてるわこれ。
まとめよう。
『PINK BLOOD』は“涙の粒”のことで、そこからMVのコンセプト「円と球」が導かれ、涙が落ちるイメージ(『a handhul of teardrops』)が『SAKURAドロップス』のイメージと繋がっている、と。だからサウンドのイメージも涙が零れ落ちるヴィジョンから舞い落ちるとか降りしきるとかそういった楽想で構築されている、と。歌詞もサウンドもミュージック・ビデオも、総てこの解釈でキレイに繋がっていく。ここまで目から鱗が落ちて腑に落ちる解釈は今まで無かったな。自分の中では決定版かもしれない。でもできれば……自分で思いつきたかったぜ…(笑)。
なお、このお話、涙も鱗も腑もたくさん落ちてくれたけど、だからといって特にオチはありませんからねっw