無意識日記々

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自信も自覚もなかったけれど

今夜の最終第20話で「不滅のあなたへ」の放送は一旦終了。とはいえ、NHKのアニメ作品なので余程の事が無い限り第2期の放送はあるだろう。ただ、今までのNHKアニメで第1期最終話を最終話って言ってたかなぁ?というのはちょっと気になったりも。それはそれとして、一視聴者としては当然第2期放送を期待したい。

その第2期の際には主題歌を再び宇多田ヒカルに、という話は再三再四繰り返してきた。本来なら第48話くらいでその意味を顕す『PINK BLOOD』の再登板もありだとは書いたが、これ、具体的な一場面を指した歌詞なのだから、直接そこで『PINK BLOOD』を流せばいいだけではないか、とやっと個人的に気がついた。今まで散々、「アニメ第2期のクライマックスシーンで第1期主題歌が流れ出す演出は燃える」と言い続けてきたんだからそれをこのいちばんお誂え向きな『PINK BLOOD』でやんなくてどうすんだという感じだわね。そして、その演出の為にはますます第2期のOPも宇多田ヒカルでいかなくてはならなくなる訳で。ある意味、ヒカルが『PINK BLOOD』に『不滅のあなたへ』の為の歌詞を付け加えた時点でこの一連の流れは決まっていたといえる。これはそうそう逃れられませんよ。

しかし、ここまでフシの生涯のテーマに相応しい歌を作っておきながらヒカルがその事実に気づいていなかったというのが、つやちゃんさんインタビューで判明した事の大きく驚くひとつのポイントであったように思う。

『なかなか新しい曲ができないしどうしようと悩んでいる時に、その一年前くらいにできていた『PINK BLOOD』をスタッフに提案されたのかな。その時は、原作を読んで「『不滅のあなたへ』に合う自信がない」というのが自分の中ではすごく心配で。でも、もし作者の方が良いというのであれば喜んで、ということで最後のパート「自分で選んだ椅子じゃなきゃだめ」だけ後から書き直したんです。』

どうだこの自信と自覚の無さ。今となってはどこがやねんという気がするが、でも、合わせようとせずに合っていたという事実が、ヒカルの気づきを遅らせた面もあったのではないか。つまり、元々はヒカル個人の、或いは、アーティスト宇多田ヒカルとしての思いを込めた歌詞を書いただけであって、『不滅のあなたへ』と符合させようという意図が無かった分、既に無意識的に大今良時と共通のテーマを追っているという事が見えていなかったのかもしれない。自分のうちのタンスの匂いは自分じゃ気づかないってヤツよな。或いはギョウザパーティ開いた同士だと(以下同文)。

実際、お互いに、決めゼリフ、ここぞというときの一言が、重点を置くポイントが似通っている。第11巻第103話でのフシの決めゼリフを読んだ時に『誰にも言わない』の最後のパートが頭に流れ出した人は私一人ではないと思うのよ。ヒカルは、『不滅のあなたへ』と、普段から訴えているテーマが近過ぎて逆にその親和性に気付けなかった。恐らくヒカルに『PINK BLOOD』を『不滅のあなたへ』の主題歌として勧めたスタッフの人は、「これほとんどそのまんまいけるじゃん。なんでいかないの?」と不思議に思うくらいだったんではないかなと。感染症禍下でどうしてもひとりきりの作業になりがちなので起こった出来事だったのかも、わからんわねぇ。