無意識日記々

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『君に夢中』と大言壮語

『君に夢中』、事前にはそのタイトルから大体同じ意味の『Addicted To You』を連想した人が多かったが、実際のサウンドに触れた後に上がった曲名は『Stay Gold』とか『Animato』とかだった。わかるやねぇ。

この2曲の共通点といえば、「歌詞の独り言感が強い」事だ。歌うという行為は多かれ少なかれ独り善がりなものだが、そのメッセージ性とベクトルとでもいえばいいのか、この想いを伝えたい!届いて欲しい!と願って歌う歌から、誰に聞かせるでもない感じで呟くように歌う歌まで、伝え方伝わり方に幾らかの偏差とグラデーションがあるように思われる。『Stay Gold』、『Animato』、そして『君に夢中』はそういう『誰に聞かせるでもなく独り言つように歌う歌』という点で共通項がある気がする。

『Animato』に関しては、その独り言感は、同じく自己紹介的でありながら外へ外へと打ち出していく『Automatic Part II』と対比すればわかりやすいかもしれない。レコード会社所属まで歌う俗っぽい『Automatic Part II』に対して、『Animato』では「これは私から全人類へ音楽なのです」という誇大な事を言っている。こういうのは、部屋で一人で居る設定でないと言えないと思うのよね。まぁ最後にDVD観てるから、その場面設定は伝わるかと思うけれども。

『Stay Gold』の方は異論があるかな? 例えば睦言で年下の彼氏に囁いている、という設定で聴く人もあるかもしれないな。あたしの場合は最初の方からこれは「死んだ年上彼女が天国から年下彼氏を見守る歌」みたいな設定で聴いているのよね。だから独り言感が強いんだけど、まぁこれは人によるか。

『君に夢中』は、今聞こえてきている部分の歌詞に関して言えば、その「君」に直接向かって言っているようには思えない。少なくとも、「君」と目を合わせて話しかけてるようではない。どちらかといえば、グラウンドを走っている彼を教室から遠目で見ながらとか、そんな少し離れたシチュエーションを想像させる距離感の歌い方かなと。或いは、部屋で勉強の合間に彼のことを思い出しながら、とかね。なんで学生の設定なのかはようわからんけどもっ。

そんななので、『夢中』とか『狂わす』とか『バカ』とか結構強い言葉が並んでるのに、妙に優しく落ち着いた歌い方になっているのだなと。夢中さに対して結構冷静な。彼が目の前に居たらそんなにすましてられないでしょ?っていうヤツね。

前に引用した『来世でもきっと出会う 科学的にいつか証明される』っていう大言壮語な歌詞も、上記の『Animato』の「私から全人類への」みたいなスケール感に近くて。こういうのって自分の部屋で夜中に妄想してるから思い描けることだったりしてさ。

……なんていうのが今のところの私の『君が夢中』の歌詞の感想なんだけど、はてさてフルコーラスだとどんな感想になるのやら。楽しみやら怖いやらですわねぇ。