無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

How far can the silence stay gold?

昨日の@Hikki_Staffからのツイートは、イタリア語、スペイン語、ドイツ語で資生堂の記事が出ましたよ、というもの。やはりというべきか、反応は芳しくない。「曲の新情報あらへんやないかい!」ってとこでしょうな。

『Find Love』は日本語圏外のファンにとっては2019年1月リリースの『Face My Fears (English Version)』以来の全英語歌詞曲。皆が皆英語が母語でもないものの、流石に日本語よりは親しみ易いという語圏民が多いかと思う。その期待の大きさたるや。

それに、彼らにとって「資生堂」というブランドがどのようなものであるのか。ここも感覚の乖離があるかもしれない。各経済圏でのシェアを把握しないと、これは何とも言えない。

それに、今はグーグル先生が強い。イタリア語もスペイン語もドイツ語も立ち所にあなたの母語に変換してくれる。Twitterもそうだ。「ツイートを翻訳」をタップすれば英語はおろかこちらが何語なのかすら判断できないツイートまでしっかり翻訳してくれる。勿論精度はまだまだだが、それは人間の翻訳だって歴史と人海で発展してきているのだから時間の問題だろう。

とすると、イタリア語やスペイン語やドイツ語で記事が出たといっても、現地のファンがどこまで喜ぶやら、ということになる。つまり、熱心な人は日本語記事の時点でグーグル先生などに翻訳を依頼して記事を読んでいる。そんな人達にとって今回の記事は「もう読んだよ。新しいことは何もないじゃないか」ということだろう。

一方、@Hikki_Staffの方からしてみたら、これをツイートする意義というのは、寧ろイタリア語圏民スペイン語圏民ドイツ語圏民に向けてというより、全世界に向けて、宇多田ヒカルが国際的なアンバサダーとして取り上げられていますよとアピールすることにあるだろう。記事が読めなくても、読まなくても、記事掲載自体にニュースバリューがあるということだ。なので本来ならこれは日本語でもツイートすべきだったのかもしれない。まぁそこはあからさま過ぎても嫌味になるかもだし難しいとこだけど。

ただ、少なくとも、シンプルにイタリア語圏の人達やスペイン語圏の人達やドイツ語圏の人達へお知らせをするというのなら、各国語でそれぞれツイートすべきだったということにはなるわな。機械翻訳でも、逆翻訳でベリファイしておけば大体は安心だろう。

とはいえ、ツイートをひとつにするなら英語になるというのは、実際国際公用語筆頭としての地位にあるのだから当然といえば当然か。

斯様に、このようなツイートひとつとっても、プロモーションの意図やその伝え方伝わり方に考えるべき点が多い。勿論、今回一番考えなければならなかったのは新情報に飢えているファンとリスナーへの配慮”で、それは明らかに足りなかったんだけどね。

SNS喧騒の現代において「沈黙は金」はますます説得力を帯びている。が、それがどこまで金のままでいられるか、“Stay Gold"していられるかというとそこの判断もまた難しい。情報の欠落を前にしてあらぬ噂が立てられる危険性だってある。情報を絞るのも時には必要だが、ほんのひとこと触れるだけで与えられる安心や信頼というものもあるだろう。そこらへんがゆくゆくは『Find Love』の売上自体を左右するかもしれない。お互いよくよく考えていこうぜ。